カザン暦・現代まで

カザン帝国

  • 1. ヘローム市内の地名がすべて旧名から新名に変更された。「ドラゴンの口」と「ドラゴンの喉」川の合流点に位置するカザンは、ドラゴン大陸西部随一の都となった。
  • 43. 「ドラゴンの喉」川はカザン川と呼ばれるようになった。
  • 50. カザンはモンスター勅令を発布して、モンスター種族が人間、ドワーフ、エルフの都市に入れば死刑になることを宣言した。
  • 100. カーラ・カーンは、ナーガ魔術師のもとで魔法を勉強するため、カザンのもとを離れた。彼は百年のあいだ姿を消した。
  • 100〜500. 黄金時代。カザンはドラゴン大陸の西部全域を支配した。人間、エルフ、ドワーフホビット、フェアリー、レプラコーンは、皆その数を増やした。モンスター種族は絶滅寸前まで討伐された。新しい街々が建設された。芸術、科学、そして魔法が華開いた。
  • 300. カーラ・カーンは、悪意を持ったエルフの一団によって、牛人族ミノタウロスの平和な村落が虐殺されるのを目撃した。これは彼には不当に思えたが、干渉することはなかった。以来、彼はある知性体が「モンスター」であり、別の知性体がそうではないとする基準はどこにあるのだろうと考えるようになった。
  • 301. カーラ・カーンは、他の種族も善の種族の大連合に参加させるべきだとカザンに訴えた。カザンは断固として拒否した。カーラ・カーンはこの年老いたエルフに、かつて百年のあいだ共に暮らすことで、ドワーフに対する自分の偏見を克服できたことを思い返させた。カーラ・カーンは、自分の統治権を譲ってオークのあいだで百年暮らすことをカザンに提案した。カザンはこの提案を簒奪だと見なして拒否し、カーラ・カーンにそれほど大切だというならば自分でやってみろと言った。カーラ・カーンはそうしようと言ったが、カザンにも百年のあいだオークに復讐戦を仕掛けないよう約束させた。彼はオークに化けているあいだ、誤って師匠に殺されたくはなかったからである。
  • 302〜402. カーラ・カーンはオークの姿に化けて、百年のあいだオークと共に暮らした。彼は旅の祈祷師として部族から部族へと渡り歩いた。彼は人間、エルフ、ナーガの魔法とはまったく異なるオークの魔法を学んだ。彼は砂漠オークの一部族が馬を飼い慣らす手助けをした。彼は山オークがダイアウルフを飼い慣らすのを助けた。彼はオークのあいだで偉大な獣使いとして知られるようになった。彼のオーク名はアラク・グナクといい、この名前のおかげでカザンが彼の行方を追うのは容易だった。
  • 380. 魔法犯罪の流行。ドラゴン大陸の諸都市では犯罪が激増した。そのほとんどは魔法を使った犯罪だった。人口の増加は諸都市を苦しめた。魔法犯罪は魔法によらない法執行を小馬鹿にした。事態は悪化の一途をたどり、とうとうカザンが直接介入に踏み切った。その解決策は、逐次犯罪者をつかまえるというものではなく、魔術師は訓練と倫理教育を受け。誰かに師事しなければならないという布告だった。
  • 400. カザンは魔術師組合を設立した。これは全世界の魔術師の訓練と互助を目指す組織だった。組合は魔法の素質を備えた子どもを、会費を払わせて教育し扶養した。魔法の訓練と併行して、組合は倫理教育を施し、世界最高の魔術師である大カザンへの忠誠を植え付けようともした。この理念が力を得るにはほぼ一世紀がかかった。多くの子どもは組合の訓練を受けなかったが、魔法犯罪は激減した。若い魔術師の多くは都市の守りにつき、訓練を受けた魔術師は未訓練の者に連戦連勝した。しかし、組合の訓練を受けていない子どもたちも、何らかの形で「盗賊魔術師」、短くちぢめて「盗賊」として魔法をならうことはあった。
  • 402. カーラ・カーンがオークに化けた百年間の旅から帰った。彼は動物を飼い慣らし、優れた武具を作り、戦闘で弓とシミターと盾を使うことを教えることでオークの諸部族にたいへんな貢献をしていた。彼はカザンに、オークは邪悪ではないと告げた。彼らは冷酷ではあるが、それはその生活環境がなせるわざなのだと。同族のあいだでは、彼らは忠誠心、家族愛、自己犠牲、ユーモアを見せるのだと。カーラ・カーンは、オークはかつて数千年前はエルフかあるいはエルフに近しい種族であったのだという衝撃的な主張をした。カザンはこれに聞く耳を持たなかった。彼は魔術師組合の創設に夢中であり、百年のあいだオークに復讐戦を仕掛けられなかったことに憤りを感じていた。彼はカーラ・カーンの意見を無視し、改めてオークやその他のモンスターへの弾圧を指示した。
  • 450. モンスター種族を大連合に参加させることをカザンに聞き入れられなかったカーラ・カーンは、故郷へと戻った。イーグル大陸の地域問題の解決に没頭した彼は、カザンとドラゴン大陸の出来事から続く二百年のあいだ離れた。
  • 500. 魔術師組合が立派に完成した。盗賊はまだいたが、もはや過去の未規制魔術師のように文明への脅威にはなり得なくなっていた。

「死の女神」レロトラーの活躍

  • 590. ブラック・ウルフ・オーク族の祈祷師ロトラーが、業火に焼かれる自分の未来を幻視した。彼は絶滅の淵にある同族を救う救世主の誕生を夢見た。それはかつての伝説の英雄アラク・グナクに匹敵する偉大な救世主であった。
  • 595. 祈祷師ロトラーに率いられたブラック・ウルフ・オーク族が、スリンクス森林の奥深くで開かれたエルフの結婚式を待ち伏せして、護衛全員を殺し、北方随一の魔術師のひとりハル・エニオン・ハルの息女ラ・フリンジャ・ラを誘拐した。この戦いでハル・エニオン・ハルは殺されたため、ラ・フリンジャ・ラの救出に行く者は誰もいなかった。
  • 596. 翌年、ロトラーは繰り返しラ・フリンジャ・ラを懐胎させようとした。この作業は彼にとって不快だったが、娘の心には耐えられないものだった。彼女は苦痛と恐怖によって発狂した。そしてとうとうオークの精霊魔術の助力によって、ロトラーの実験は成功した。
  • 597. レロトラー(ロトラーの娘)が誕生した。エルフの姫は出産のときに死に、祈祷師は赤ん坊を胎盤から切り離さねばならなかった。彼は子どもが女の子であったことに落胆したが、二度目の機会はないこともよくわかっていた。彼は赤ん坊を狼の赤子に変身させて、狼の群の中で幼少期を過ごさせることにした。
  • 600. 満月のある晩、レロトラーは突然オークの姿に戻り、戸惑いながらも子どもの火の踊りに参加した。ロトラーは彼女が強力な魔法の素質を備えていることを見抜き、訓練を施すことにした。続く十年のあいだ、彼女は父の教えをすべて学び、一方、他の子どもたちは彼女を恐れ憎んだ。レロトラーが愛するのは、彼女を育てた老いた雌狼と、父親である祈祷師だけだった。
  • 610. カザンは魔術師組合の支部を設けるために遠くスリンクス森林のエルフ族のもとを訪問して、十三年前のオークの襲撃と虐殺によって、偉大な魔術師ハル・エニオン・ハルが殺されたことを知らされた。オークがエルフの森でエルフを襲ったことに激怒したカザンは、事件現場を調べて何が起こったかを突き止めた。彼はラ・フリンジャ・ラ姫が生きたまま連れ去られたことに驚愕し、続く強姦と出産、そして血塗られた死を知ってさらに怒り狂った。自分が見たものに我を忘れたカザンは過去視を打ち切ってしまい、レロトラーのことを知らないまますませてしまった。もう一度考えた彼は、この恐るべき事件を起こしたオーク部族を魔法で見通し、その名前を突き止め、ブラック・ウルフ族の現在位置を見つけた。エルフの戦士団とともにオークの集落に瞬間移動したカザンは、剣と魔法で部族全員を虐殺し始めた。彼に同行したエルフたちはかつての虐殺への復讐に歓喜した。彼らは女子ども問わずすべてのオークを殺し、目に入る動物すべてを殺し、奪えるものすべてを奪い、仕事の仕上がりに満足してスリンクス森林へと戻っていった。この事件は解決したと考えたカザンは自分の都に帰り、ブラック・ウルフ族の壊滅を四方に布告した。しかし、エルフが襲ってきた時、レロトラーは集落にはいなかった。彼女はドラゴンの卵を求めて山奥深く分け入っていたからである。数日後、戻ってきた彼女は皆が死んでいることに気づいた。原野で遊んでいて難を逃れたわずかな子どもたちから、エルフたちが犯人であるという証拠が得られた。父の死は彼女の中にエルフとエルフの関わるものすべてに対する抜きがたい憎悪を植え付けた。
  • 615. 狼の群と三人のオークの子どもたちを別にすれば、レロトラーは最初の従者を見つけた。それは、がれきの下敷きになって足を折ってしまったオーガだった。自分の叫び声で引き起こしてしまった土砂崩れに埋まった彼は、足を折ってしまったのである。飢えながら数日を過ごした彼、バルグ・ヌーアグートは死に瀕していたが、レロトラーが食料を与え、自分を襲わないという誓いを立てさせて、彼を仲間に加えたのである。それから彼女は折れた足の上から岩を浮かせてどけると、魔法でその傷を治した。バルグ・ヌーアグートはこのような離れ業をやってのける彼女のことを女神だと信じ、その一番の協力者となった。
  • 615〜640. レロトラーはドラゴン大陸の北辺で力を蓄え、味方を集めていった。彼女の仲間の中には、グリーンウィングという名前のワイバーンがおり、また、レロトラーは別のオーク部族であるスノウ・デーモン族を支配した。640年、彼女は公式にエルフに宣戦布告して、味方を全員率いてスリンクス森林のエルフに襲撃をかけた。レロトラーの勝利が確かになったとき、ひとりのエルフ魔術師が鳥に姿を変えてカザンのもとへ救援を要請に発った。
  • 640. カザンは逃げてきた魔術師からスリンクス森林のエルフの災難を知った。現場を見通した彼は、レロトラーの存在を知った。今度こそカザンは彼女の経歴すべてを調べたが、その四十三年間を一瞬一瞬見ることはできず、レロトラー殺害を決意した。しかし、その居場所を魔法で知ることはできなかった。レロトラーは魔法による調査から身を隠すすべを学んでいたからである。やむなくカザンは生死不問の懸賞金をかけて、彼女を捕らえるべく精鋭の戦士団をスリンクス森林に送り込んだ。戦士たちは、レロトラーを見つけた時にカザンと連絡をとるための水晶球を携行した。
  • 643. スリンクスのエルフたちを皆殺しにした後、レロトラーはドラゴンファイア山脈の高峰を西へと旅して、ドラゴンを探した。643年、彼女は古いドラゴン魔術師ヴヴヴァルルルを発見して、七年間のあいだ召使いとして仕えるかわりに、ドラゴン魔法をいろいろ学んだ。レロトラーは優れた召使いぶりを発揮し、山麓ドワーフ都市を襲うことでドラゴンの宝を非常に増やしたため、ヴヴヴァルルルは彼女をたいへん気に入って、自分の血を数滴分け与えた。すでに年老いていたレロトラーはドラゴンの血によって若返り、その力も十二倍にふくらんだ。
  • 647. ヴヴヴァルルルの友であり、半オークのヴァーラース族の長であるヴァハルクは、ドワーフ都市ハエルクの襲撃の際にレロトラーの命を救った。二人は短い恋に落ち、後にヴァハルクはレロトラーの解放軍に加わった最初の半オークの指導者となった。
  • 650. レロトラーより賢く年古りたヴヴヴァルルルは、ひとりで戦っているかぎり、カザンにも善の種族にも決して勝つことはできないと彼女に語った。カザンの手によって殺されたくなければ、数多くのモンスター種族をまとめあげて、皆のために戦わなければならないと。この忠告は、彼女が受けた多くの予知夢に当てはまっていたので、レロトラーはそうすることを約束した。ヴヴヴァルルルは、ドラゴンに匹敵するほど多くの味方を集めることができれば、自分も協力しようと誓った。
  • 651. 一連の次第に悪化する予兆に心騒がせられたカザンは、イーグル大陸に旅してかつての弟子カーラ・カーンの助力を取り戻そうとした。この地で、彼は人間とモンスターがカーラ・カーンの善政のもとで平和に共存する社会を目撃した。人間の魔術師カーラ・カーンは、師匠であった老エルフに、これはドラゴン大陸で数多くの種族とともにカザンが成し遂げるべきことだと語った。激怒したカザンはカーラ・カーンを呪って独りで故郷へと帰った。一方、カーラ・カーンはカザンが年老い意固地になっていると判断し、すべての者たちのためにドラゴン大陸へ帰らなければならないと決意した。
  • 652. カザンとカーラ・カーンは、増加するモンスターの反乱に対する方策について激論を戦わせた。カーラ・カーンはモンスター種族も社会全体に融合させるべきだと主張し続け、カザンもまたその意見を拒否し続けた。モンスターはゲリラ戦を戦い、カザンの大軍が集結する前に一撃離脱した。カーラ・カーンは、伝説の英雄アラク・グナクとして地下に潜伏し、レロトラーを見つけようと心に決めた。
  • 854. アラク・グナクは二万のオークたちをドラゴン大陸の南部から引き連れて北上し、レロトラーの軍勢に参加して、その勢力を二倍に増やした。同時に、レロトラーの膨大なオーク軍は、グレート・フォレストにあった古いエルフの根拠地シャンシナルを滅ぼした。カザンがシャンシナルの窮地を知った時には森の大半は燃やされており、帝国最強の人間魔術師たちを引き連れて瞬間移動した彼は、カーラ・カーンが用意した魔法の罠に落ちてしまった。黒人魔術師はカザンと停戦を交渉し、《次元門》の呪文でカザンとその仲間たちを、時間の進み方がトロールワールドよりも百倍遅い別次元へと放り込んだ。カザンがカーラ・カーンの呪文を解除して元のトロールワールドに帰るまでに、その別次元では一年の十分の一しか経たないのに、カザン帝国では十年が過ぎてしまうのだった。
  • 660. レロトラーはトロールと同盟を結んだ。彼らは散在して地下に住んでいたため、これは容易なことではなかった。自分たちにとっての古き敵エルフに対する彼女の遠征を見たトロールたちは、彼女に合流しない手はないと考えた。トロールが加わったことで、レロトラー軍の武力は比類無いものとなり、ドラゴンたちも彼女の味方となった。一方、善の種族の守備は、それを指揮するカザンがいなくなったために脆弱になった。街も根拠地も次々とレロトラー軍の前に屈していったのである。
  • 661. エルフの女魔法戦士エレーラは、モンスター軍ともっと戦いやすくするために、自分をワークーガーの姿に変えた。彼女はモンスター軍から恐れられる数少ないエルフのひとりとなり、シャンシナル周辺の森におけるもっとも有力な抵抗運動を指導した。
  • 663. 断崖の戦い。ねばつく沼地に降りたエルフたちは、トロールを殺すには崖から突き落とすだけでは足りないことを思い知ることになった。泥にまみれたトロールたちははじめてゴブリンらと出会い、彼らをレロトラー軍に勧誘した。ゴブリンはレロトラーに味方してあらゆる「善の種族」に立ち向かうために沼地を守ることを約束した。
  • 664. レロトラーとカーラ・カーンは追捕作戦に出た。中央森林を蹂躙しようとするオークたちの作戦すべてを果敢な襲撃で頓挫させていたエレーラを捕まえるために、レロトラーとカーラ・カーンは百平方マイルの森全体を眠りに落とし、徒歩でエレーラの居場所を探した。レロトラーは「モンスター的な」姿をしたエレーラに会い、彼女に好感を持った。すぐに殺すかわりに、エレーラには選択肢が与えられた。レロトラーに与して生きのびるか、拒否して死ぬか、である。エレーラはエルフ族を裏切って「死の女神」の味方となったが、レロトラーを裏切ってエルフのもとに帰参しないように、ワークーガーの姿のまま留め置かれることになった。
  • 665. カザンとその仲間である魔術師たちはトロールワールドに戻ってきたが、「ドラゴンの爪」以北のすべての人間の都市がモンスター軍の手に落ちているのを見ることになった。西部の森にあった既知のエルフの根拠地はすべては滅ぼされていた。善の種族の最後の防衛軍はカザンの市内に立てこもっていた。カザンがそのただ中に帰還すると、彼らは大いに喜んだ。
  • 666. カザンは古き盟友であるナーガ族にレロトラーと戦う助力を要請したが、カーラ・カーンはカザンと戦う助力を要請した。ナーガは中立を保ち、どちらの要請も却下した。カザンは善の種族が絶滅の危機に瀕していることを悟った。彼はカーラ・カーンと接触して、レロトラーのモンスターたちが、すべてのエルフ、人間、ドワーフを滅ぼそうという計画をこのまま続けるのならば、三つの月を空からドラゴン大陸に落としてすべてを滅ぼすつもりであると告げた。カーラ・カーンはレロトラーに、交渉による和平が最良の索であることを納得させた。カザンは降伏し、自発的な流罪人として、時間の流れから隔絶した島の墓所に眠り、トロールワールドには一年に一日だけ姿を現すだけになった。彼は、もしモンスター種族が善の種族を絶滅させようとしたならば眠りから覚めるであろうという予言を残した。レロトラーとカーラ・カーンはカザン市を支配した。全世界のモンスターたちは歓喜した。

レロトラーの帝国

  • 700. 人間の冒険者たちが、幸運に恵まれず、モンスターの支配するカザン帝国であまり仕事を見つけられないことから、大魔術師たちの地下迷宮に侵入をはじめた。このことは、寿命のない半神たちにとってそれなりの余興になることが明らかとなったため、彼らは頭がよくまわり、タフで、運の強い何人かの輩には、生き延びて宝を手に脱出することを許したのである。冒険は「善の」種族にとって主要な生計の道となった。
  • 780. 死の女神への百年以上にわたる奉仕を経て、正気を失ってしまったエレーラは、森の精霊たちにまつわる思想を中心に、獣人たちのために新しい宗教を創立した。こうした精霊たちは、実際には魔術師である彼女の強大な力の現れであったのだが、彼女自身はそのことを知らなかった。あまり洗練されていない獣人たちの多くが彼女に従い、新宗教が生まれたのである。
  • 832〜842. レロトラー、カーラ・カーン、グリーンウィングは、ルズシャンのリザードマンの姿に化けて、東の海のルズシャン海賊らのあいだで十年間を過ごした。この間、「死の女神」はレラー(哺乳類殺し)という名前で、リザードマン随一の船長として活躍した。レロトラーはルズシャンと同盟を結んでいたが、加えて、彼らが自分の帝国を侵略しないかどうか確かめたのである。
  • 876. コースト市が、動物をすべて死なせてしまった人間の交易商人によってコースト川のほとりに建設された。自分の二本の足以外には移動手段を持たなかったものの、豊かで肥沃な河谷にたどりついた彼はそこに住み着き、やがてかつての放浪商人としてよりもひとつところにとどまった交易商人として才能を発揮するようになった。
  • 888. レロトラーはカザンの闘技場を開設した。これは全世界でもっとも有名な闘技場である。彼女は闘技場の後援者となった。
  • 979. レロトラーは次第に人間とドワーフに対する憎しみをいくらか和らげた。彼女は三百年のあいだではじめて、彼らがカザンの城壁内で財産を持ち、生活することを許可した。
  • 1,000. 『トンネルズ&トロールズ』の現代。