カザン暦・未来史

冒険者の時代

  • 1,001. 大規模なモンスターの襲撃を、コースト市民が撃退した。
  • 1,002. さらに大規模なモンスターの攻撃がコーストを襲い、街の半分以上が焼失した。モンスターたちは望みのままに街を出入りする権利を獲得した。
  • 1,003. コースト市が再建され、川の両岸にまたがるように拡張された。
  • 1,005. 「大いなる」ベレンガリアがコースト市の大君となった。
  • 1,049. 熊の教団が死の女神に対して反乱を起こした。ワーベアをのぞけば、大衆の支援をあまり得られなかった熊の神の宗教は、地下運動にとどまった。レロトラーはこれを自分の統治に対する深刻な脅威だとは考えず、捕らえられた熊の教団員はカザンの闘技場に放り込まれるか、死の軍勢に編入するかどちらかにせよという勅令を出した。
  • 1,097. 半オークのルフスが「贖罪のむきだしの打撲刑」から逃れて、「深き洞窟の高き神」ブラックフレイムの新宗教を創始した。
  • 1,099. モンスターの軍勢が人間の都市コロルを蹂躙した。人間が打ち負かされ追い払われると、モンスターたちは同士討ちをはじめた。
  • 1,100. レロトラーは、モンスターの死の軍勢をコーストに放って、二十年遅れの貢ぎ物を取り立てた。ズイーチの島から使節がやってきて、死の女神との同盟を申し出たが、ひそかに次なる侵略が成功するかどうかを判断するべく国土を偵察した。レロトラーはどうしたらよいか確信が持てなかったが、カーラ・カーンは憂慮した。
  • 1,310. ルズシャンの魔術師たちが、ドラゴン大陸の周りに張られた結界を突破した。彼らは「ドラゴンの背」沿岸に根拠地を築いて、ナーガ族との抗争を始め、「ドラゴンの首」にも拠点を造った。リザードマンの船長たちは、「ドラゴンの頭」のずっと彼方を往来して、西の大海にあるいくつかの島々に小さな植民地を築いた。リザードマンたちは、近い将来にドラゴン大陸を武力で侵略しようと計画していたのである。
  • 1,312. レロトラーと(伝説のオーク祈祷師アラク・グナクの姿となった)カーラ・カーンは、帝国内の諸問題に対処するための精鋭部隊を設立して、侵略してくるリザードマンに対する防備を組織した。二人の冒険は「モンスター!モンスター!」の中で語られている。

ズイーチ戦争

  • 1,313. ズイーチの軍勢が、異星からやってきた十二本脚の蜘蛛型異星人の大軍の助けを借りて、カザン市を攻撃して征服、破壊した。レロトラーとカーラ・カーンは脱出して、ドラゴン大陸の辺境で抵抗活動を組織した。死の女神の帝国は1,313年に終焉するという古代の予言は成就したのである。
  • 1,313.〜1,492. ズイーチとリザードマンに対する戦争。大規模な合戦はめったになかったが、小規模なゲリラ戦がほとんど間断なく続いた。帝国の諸都市はすべて破壊されるか、ズイーチ軍のための軍事要塞となった。
  • 1,366. カザンの島への探検隊が、島の防衛を突破して眠れる魔術師を目覚めさせることに失敗した。
  • 1,466. カーラ・カーンに率いられた第二次探検隊(百年に一回しか行えない)は、カザンの墓所に押し入ってカザンを目覚めさせることに成功した。人々が彼を再び必要としていると説得されたカザンは、墓所を出て世界の光景を目にした。彼はまだカーラ・カーンとレロトラーを憎んでいたため、二人との同盟は拒絶した。
  • 1,467. カザンは故郷の荒廃を知った。ナーガ族の古代文明はルズシャンのリザードマンの侵略の前に崩壊していた。人間、ドワーフ、エルフの住人たちは極端に少なくなっていた。生き残った人々は帝国の辺境にある高山や森の奥に隠れていた。カザンはエルフに合流して、自前の抵抗軍を組織し始めた。ズイーチに対抗するには、他の大陸でも、そして他の世界からも数多くの魔術師や戦士を集めなければならないと彼は判断した。レロトラーとカーラ・カーンとの同盟は考えなかった。彼は二人も滅ぼすつもりだったからである。
  • 1,470. ズイーチを追い出すに足る力をトロールワールドで集めることができなかったレロトラーとカーラ・カーンは、自作の魔力宇宙船に乗って星々に乗り出し、死の「蜘蛛」らに対抗するための協力者を捜し求めた。1,480年、二人は人間の銀河帝国を発見し、ついに勝利に必要な技術と協力者を獲得した。
  • 1,485. レロトラーは巨大な宇宙艦隊を率いてトロールワールドに帰還した。ズイーチと「蜘蛛」らとの最終決戦が始まった。レロトラーはこの惑星を宇宙からの攻撃で破壊したがらなかったため、この仕事は困難を極めた。
  • 1,491. カザンとレロトラーは共通の敵と戦うために休戦した。カザンは大魔術師戦争以来史上最大の魔法軍を作り上げた。そして、グリッスルグリムをはじめトロールワールドにまだ残っている神のごとき大魔術師たちの助けをも取り付けた。不幸なことに、ズイーチも何人かを味方につけていた。
  • 1,492. ズイーチとその軍勢が最終的敗北を喫した。「蛇の鳥」の神は多元宇宙の外、既知の次元の時空の彼方に追放された。「蜘蛛」の異星人はレロトラーが連れ帰った宇宙艦隊によって打ち負かされた。世界の大部分が、途方もない兵器と魔法によって修復不能なまでに焦土と化した。惑星そのものがこの戦いで重傷を負い、星の魔力と魔法の生産力がゆっくりと低下した。

宇宙時代

  • 1,493〜1,600. トロールワールドに何十種もの異星種族が港と居留地を設立した。ある者は植民、ある者は改宗、ある者は交易、そしてある者は荒廃した惑星の再建のためにやってきた。異星の協力者たちは惑星全体の統括者をひとり求めた。レロトラーとカザンがその候補者となった。どちらもおたがいに譲らず、両者間の多年にわたる政治闘争と深まる敵愾心がトロールワールドを二極化し、新たな大戦へと導き始めた。
  • 1,601. 東方帝国を治める大ドラゴンのシャンギンシン・シンギンシャンが眠りから目覚めて決断を下し、自分をこの惑星の統治者であると宣言した。この解決策は異星種族らにとって良いものだった。レロトラーとカザンは今や星々を破壊できるほど強大だったが、二人とも魔力の点でドラゴンに対抗することはできなかった。ドラゴンは二人をトロールワールドから追放した。カザンは時間旅行をする島の墓所に戻り、レロトラーとカーラ・カーンは宇宙船に乗って星々へと旅だった。
  • 1,700. ドラゴンはトロールワールドを低い技術レベルにまで戻した。この世界における異星種族の存在を、三つの大陸にそれぞれ宇宙港ひとつだけに限定した。四つ目の港はズイーチ島に置かれた。
  • 1,701〜1,999. トロールワールドは再び17世紀程度の技術発展レベルに安定した。惑星全体の魔力レベルも新たに低いレベルで安定した。大きな変化のひとつは、魔術師組合は魔力で動く恒星間宇宙船に建造方法を獲得し、そうした船が多数、宇宙空間へ旅立っていったことである。ある者は交易任務のため、またある者は探検を楽しむためであった。
  • 2,000. 世界支配者である大ドラゴンは、その責務を他のドラゴン、トロール、魔術師たちに移管して眠りについた。百年のあいだに力を増した死の女神の教団は、女神を見つけてトロールワールドへの帰還を承諾させるまで銀河中を捜索しようと誓った。無数の宇宙船が女神の探索のため出発した。年表はここに終わる。