連続対決の手順

 連続対決の1ラウンドは以下の手順で進行する。

1)開始フェイズ

 第1ラウンドの場合:その場面に参加しているキャラクター各人は、対決に参加するかしないかを決定する。対決に参加するキャラクター各人は、相手とするキャラクターを選択する。ナレーターはこのようにして成立した対決ごとに対決ゲージと対決コマを用意し、対決コマをそのゲージの開始マスに配置する。

 以降のラウンドの場合:まだ対決に参加していないキャラクター各人は、a)すでに進行中の対決に参加するか(助太刀)、b)対決に参加していない別のキャラクターに対する対決を新たに開始するか、それともc)今までどおり対決に参加しないままにするか、のいずれかを選ぶ。

  • a)すでに進行中の対決に参加する(助太刀):進行中の対決のいずれかを選んで参加する。
    • a-1)味方が少数の多対一の対決に参加した:参加中の敵1人を相手とする新たな対決を別個に成立させる。どの敵を相手にするかはプレイヤーが任意に決定する。この新たな対決の開始時のコマの位置は、元の対決で味方側に押しこまれていたなら開始マス、敵側に押しこまれていたなら同じマス数だけ開始マスから相手側に動いた状態、となる。
    • a-2)味方が多数の多対一の対決に参加した:以降も同様に多対一の対決を続行する。
    • a-3)敵味方同数の対決に参加した:以降は味方が多数の多対一の対決となる。
  • b)新たに対決を開始する:上記「第1ラウンドの場合」と同様に、ナレーターは対決ゲージとコマを用意して、新たに対決を開始する。
  • c)対決に参加しない:前ラウンドと同様、増強または独立行為のみが行える。

2)宣言フェイズ

 対決に参加中のキャラクター各人は、このラウンドで自分が対決に使用する能力を1つ選んで宣言する。この能力を「使用能力」と呼ぶ。
 注意:このラウンド中、増強の対象となるのはここで宣言された使用能力のみである。

3)増強フェイズ

 その場面に参加しているキャラクター各人(対決に参加していないキャラクターも含む)は、2)で宣言された使用能力のいずれかに対して増強を行うか、独立行為を行うことができる。
 増強または独立行為は、ナレーターを最初にして時計回りに行っていく。

増強

 増強は、対決の使用能力を一時的に上昇させる行為を指す。増強は特別な事情がないかぎり、対決の起こった場面にいるキャラクターならば誰でも行うことができる。

 増強を行うキャラクターは、増強に用いる能力を1つ選択する。その能力の値を10で割った結果(端数は四捨五入)が、使用能力にプラス修正として即座に加えられる。

 1ラウンドに1人のキャラクターが行える増強の数は(自分に対するものであれ他者に対するものであれ)1回のみである。
 増強の効果はその対決の間じゅう持続する。

 増強には能動増強と受動増強がある。能動増強は、その内容を行う際に具体的な行動が必要となる増強のことである。受動増強は、その内容を行う際に目立った行動が必要とならない増強のことである。能動増強か受動増強かを判断する指針は以下の通り。ナレーターは状況と能力の内容に応じて適宜判断すること。

  • 能動増強:技能、魔術能力、従者、持ち物を使った増強一般。
  • 受動増強:縁故、性格を使った増強一般。

 また、一般に受動増強は他者に対して行うことはできない。

 対決に参加中のキャラクターが能動増強を行った場合は、続く4)応酬フェイズで勝利しても、5)解決フェイズでコマを相手側に押しこむことができない。

永続的増強

 一般に持ち物(特に武器や防具)によってもたらされるプラス修正(*)は「永続的増強」である。その持ち物が使える状態にあるかぎり、また、それが使用能力に利益をもたらすとナレーターが判断しているかぎり、特に増強を行わなくても常に使用能力に加えることができる。

(*)HWで示されている武器や防具の「等級」のこと。

例:コルマックはブロードソード(+3)と革の鎧(+2)を装備している。ナレーターは〈近接戦闘(剣)〉10Wを使用能力とする連続対決で、コルマックはこれらの武器や防具から永続的増強として合計+5のプラス修正を得ることができると判断したため、この対決では、他に増強や修正がない状態でも、彼の使用能力の値は15Wに上昇する。

独立行為

 独立行為は、対決の使用能力やその勝敗に直接関係しないさまざまな行為のことである。1ラウンドに1人のキャラクターが行える独立行為は1回のみである。

 対決に参加中のキャラクターが独立行為を行った場合は、続く4)応酬フェイズで勝利しても、5)解決フェイズでコマを相手側に押しこむことができない。

4)応酬フェイズ

 対決参加者は、望むならばロールに先立って「決死の賭け」の宣言を行うことができる(後述)。
 対決参加者は、使用能力を使ったロールを行う。マスタリーの打ち消しや段階上昇、段階下降は通常どおり処理する。
 また、ロール直後にヒーローポイントの使用を宣言することができる(後述)。

5)解決フェイズ

 ナレーターは4)の結果を連続対決表(下記)に照らし合わせて内容を適用する。以下、より高い成功段階を出した側を勝者、そうでない側を敗者と呼ぶ。

連続対決表
クリティカル クリティカル コマは動かない。
       成功     敗者側へ打撃力+1に等しいマス、コマを動かす。
       失敗     敗者側へ打撃力+2に等しいマス、コマを動かす。
       ファンブル  勝者は好きなマスにコマを動かす。
成功     成功     ロールの目が高い側へ打撃力に等しいマス、コマを動かす。
       失敗     敗者側へ打撃力+1に等しいマス、コマを動かす。
       ファンブル  敗者側へ打撃力+2に等しいマス、コマを動かす。
失敗     失敗     ロールの目が高い側へ打撃力に等しいマス、コマを動かす。
       ファンブル  敗者側へ打撃力+1に等しいマス、コマを動かす。
ファンブル  ファンブル  コマは動かない。

 このとき勝者が3)で能動増強または独立行為を行っていたならば、コマを相手側に動かすことはできない。対決コマは現在位置にとどまったままである。

打撃力

 各キャラクターの打撃力は、通常1である。特に強力な攻撃や魔術の奥義など、ナレーターが適当と判断した場合には、打撃力が2になることがある。

6)確認フェイズ

 この時点で、対決コマがいずれかの側の「重傷マス」に置かれていたら、その側のキャラクターは「重傷」を負い、以降回復するまですべての能力が半減(端数切り上げ)する。
 対決コマがいずれかの側の「瀕死」マスに達していたら、その側のキャラクターは「瀕死」を負い、即座に対決に敗北する。なお、瀕死を負った時にまだ重傷を負っていないのであれば、同時に重傷も負ったことになる。上記のルールにしたがうこと。

 また、この時点でまだ自分側の「瀕死」マスにコマが達していなくても、キャラクターは「降参」を宣言することができる。降参を宣言したキャラクターは即座に対決に敗北する。
 また、対決に参加中のキャラクターが対決の終了に合意すれば、上記条件が満たされていなくとも対決は終了する。この場合、勝敗は決さず、対決は引き分けに終わる。

 以上の処理が終わった時点で、まだいずれのキャラクターも対決に敗北していなければ、1)に戻って新たなラウンドを開始する。