ブリチェスター
イギリスを舞台にしたラムジー・キャンベルの神話作品に登場する架空の地方都市。つまり現代イギリスにおけるアーカム。
オーゼイユ街のにゃるらとてっぷホテル(http://lt.sakura.ne.jp/~nyarlat/hotel/)より:
Ramsey Campbell's Goatswoodより:
人口10,1300人。ロウアー・ブリチェスターとマーシー・ヒルという郊外を擁するブリチェスターは、渓谷*1で一番大きく、最も都市化の進んだ町のひとつです。オフィスビルやパブ、映画館、画廊、商店街、その他さまざまな商業娯楽の中心があるブリチェスターは、技術の現代化と市街の老朽化のはざまで揺れ動いています。ブリチェスター大学は、この地域で最大の大学で、名高い学問の府です。ブリチェスターは、渓谷の中でもこの地域に集中している労働力に雇用を提供しています。
セヴァーン渓谷の商業中心地であるブリチェスターは、「ドゥームズデイ・ブック」*2には“ブリセスター”という名前で登場します。
- 新中央図書館:市中心近くにあるブリチェスター公共図書館本館のこと。平日9時〜21時、土曜9時〜17時、日曜休館。1980年に新装開館。12人の常勤司書が勤務。ロウアー・ブリチェスターとマーシー・ヒルに分館あり。
- 『月を引き下ろす』『金枝編』『魔女への鉄槌』『螺旋の舞踏』『視界から去るもの』『西欧における魔女信仰』を所蔵。
- ロンドン・タイムズ紙、ブリチェスター・ヘラルド紙、ブリチェスター・ウィークリー・ニュース紙、キャムサイド・オブザーバー紙のバックナンバーを所蔵。
- ブリチェスター中央駅:郊外の町村へ連絡する際の基点。ロンドンとを行き来する列車はブリチェスター駅に停車します。
- ブリチェスター大学:地域最大の学術機関。教授たちの多くが地元に伝わる迷信にある程度通じています。1920年代には、一部の学生がグレート・オールド・ワンを信仰していたことが発覚し、解散させられています。
- 大学図書館は『金枝編』『サセックス草稿』『アブラ・メリンの神聖魔術書』『セヴァーン渓谷の伝説と慣習』『魔女への鉄槌』『モンマスシャー、グロースターシャー、バークリイ地方における妖術についての覚書』『バークリイ谷』『トートの書』『月を引き下ろす』『セファー・イェツィラー』『螺旋の舞踏』『西欧における魔女信仰』を所蔵。
- 物理学のアーシュラ・シートン教授:大学図書館で遭遇の可能性あり。アーカムでウォルター・ギルマンの手記を購入し、高次元世界の研究を進めるうちに“ヴェールをはぎとるもの”ダオロスの性質を知り、テンプヒルの教団でドリーム・クリスタライザーを用い、高次元の秘密を解き明かす“実験”を画策しています。高次元物理学についてしるした彼女の日記は一種の魔道書と化しています。
- 警察署:6人の警部補、12人の巡査部長、20人の巡査を擁します。銃器は常時携帯ではなく、必要に応じて拳銃や銃身の長い銃を携行します。エドワード・ルウェリン警部が署長を務めています。
- “悪魔の階(きざはし)”:ブリチェスターの北東に位置する全長百メートルにもおよぶ天然の石段。地元民の誰もが忌避しています。頂上は奇怪な灰色の葉を持つキノコが生息する高台となっています*3。高台には高さ15メートルの窓のない石塔が三つ並び、黒い金属でできた渡りでつながっています。奇妙な角度の扉をくぐると階段が上方に向かって続いており、塔内の壁には謎の象形文字が所狭しと刻まれています。この階段は一切の光を通さない奇妙な障壁で終わります*4。
- ブリチェスター湖:ブリチェスターの北にある湖はとても深く、よどんでおり、暗澹たる森に周りを囲まれています。湖底にある異星の都市には、隕石とともにやってきたグレート・オールド・ワン、グラーキが棲んでいます。1790年ごろ、ゴーツウッド村*5からやってきた一団が湖畔に6軒の家を建てて、グラーキを信仰しました。