War of the Ring

 見かけたのでつい購入(;´Д`)

 一昨年に発売されて話題を呼んだFantasy Flight Games社の大作ボードゲームです。その名の通り、指輪戦争全体を再現する戦略級ゲームで、プレイヤーは自由の民陣営と冥王陣営をそれぞれ担当します。そして中つ国西部を描いたボードと大量のプラスチック製フィギュアを使って、指輪を巡る攻防および軍事的攻防を展開します。
 ターン最初に振るアクションダイスと呼ばれる特殊なダイスの内容によって、そのターンに選択できるアクションの種類が決まる他、イベントカードと呼ばれる「指輪物語」内の出来事(または起こったかもしれない展開)をゲームタームに変換した効果が記されているカード(百枚近くあります)を使うことで、劇的な展開を再現することができます。
 一方の柱となる軍事ルールはシンプルですが、城塞をめぐる攻城戦ルールが目を引きます。おそらく自由の民軍は原作でそうであったように、城塞にこもって抗戦することになるでしょう。
 また、自由の民陣営はさまざまな国々から成っていますが*1、ゲーム開始当初はどの国も参戦していないので、外交アクションを使ったり、旅の仲間たちを送り込んで参戦をうながさなければなりません*2。対する冥王陣営はずっと素早く動員令を国々*3にかけることができ、徴兵できるユニット数も非常に多いので、自由の民陣営は終始軍事的劣勢に立たされることになるでしょう……特にナズグルと魔王はきわめて強力なユニットです*4。そしてゲーム中に一定数の拠点が陥落すると軍事的敗北を喫してしまうため、両陣営ともに軍事面での戦略をおろそかにすることはできません。
 もう一方の柱となる指輪所持者の旅と冥王陣営による追跡も簡潔にルール化されています。旅の仲間は裂け谷から出発してモルドールを目指しますが、盤上に置かれた旅の仲間フィギュアは彼らの所在が最後に確認された地点を表しているにすぎません。旅の仲間の移動は「何マス進んだ」とだけ進行トラックに記録されていき、自由の民プレイヤーが任意の時点で「所在宣言」を行うことではじめて、コマを進行トラックに記録された数だけ進めます。つまり、冥王陣営はそれまでは旅の仲間がどこを実際に目指しているのかわからないわけです。
 冥王陣営は、旅の仲間の移動にあわせて「追跡」(Hunt)を試みます。本来なら軍事行動などのために使うアクションダイスをいくつか追跡に振り分けることで、旅の仲間にダメージを与えようとすることができます。追跡が成功すると、旅の仲間は指輪所持者にCorruptionダメージ(闇の誘惑を表します)を与えるか、か七人の仲間たち(Companion)*5を1人戦死させるか選択しなければならなくなります。このようにして、冥王は指輪の滅びの山到達を妨害することになります。
 また、仲間たちが同行していれば追跡による被害を相当に軽減することができますが、一方で彼らは一行から離脱すれば強力な特殊能力を軍事面や外交面で発揮できるようになりますから*6、ただでさえ劣勢に立たされる自由の民陣営は旅の仲間をどのように動かすかが重要な選択になります。もちろん、一発逆転勝利をもたらす指輪の探索は最重要目標となります。
 とりあえず、イベントカードを日本語化してみました。

 カード名が「指輪物語」本文から引用されているので、探すのが結構骨でした。「On, on they went」(どんどん、どんどん、かれらは進みました*7)とか……。
 3〜4時間は見ないといけないゲームだそうなので、またしばらくは棚の肥やしでしょうけど、指輪ファンとしては是非一度やってみたいトコロ。

*1:ゴンドール、ローハン、エルフ、ドワーフ、北方人(エリアドールや谷間の国の人間たち、熊人も含むw)

*2:冥王軍に攻撃されれば否応が無く参戦に加傾きますが……

*3:サウロン、アイゼンガルド、南方人&東夷

*4:魔王は登場するだけで自由の民の国々が戦争準備を開始するほど。

*5:フロドとサムはゲーム上では二人あわせて1キャラクター

*6:特に馳夫とガンダルフは離脱後にレベルアップできます。

*7:二人がモルドール内でオーク部隊にまぎれこんで行軍する一節。