トワイライト・インペリウム第3版:ソル連邦

piroki2006-12-07

 人類の故郷。陸軍力に優れる。地球の呼称が変わっているのが謎。
 イメージイラストがハゲの海兵隊員というのがアレですが……。

ソル連邦 Federation of Sol

 ソル星系の第三軌道に、人類の故郷ジョード星*1はある。ジョードの気候や季節、そして環境の多様性に匹敵する惑星は少ない。こうした賜物のほとんどはジョードの巨大な衛星のおかげである。この衛星はジョードの海洋に劇的な波動をもたらし、それが多様な生命と天候を生み出す原動力になったのだと考えられている。ジョードの軌道上と衛星は、宇宙基地を行き来する星間交通でいつもにぎわっている。有名なソルの国章をつけた戦列艦隊は、しばしばジョードの軌道上にある巨大な軍用プラットホームや、この星系の赤い第四惑星の軌道を回るチャーチル・プリマ艦隊基地に係留されている。
 人類自身も、銀河で最も数が多く、最も多様性に富んだ種族である。マスドライブ*2の発明以来、人類はジョードを離れて探検に探検を重ね、今や宇宙の片隅にまで至っている。人類は銀河じゅうで見られ、その知性と技術の応用力の多様性を誇示しているようですらある。人類のコロニーと定住地は、召使い、交易商人、地図職人、探検家、傭兵、学者、建築業者、密輸商人、科学者、外交官などと同じように、どこにでも存在する。銀河史家の間では、人類の多様性に富んだ技が滅亡や絶滅を回避し続けてきた決定的な要因であろうと一般に認知されている。
 銀河中に暮らす何百億人もの人類は皆、ソル星系から移住した祖先にさかのぼることができるが、そのほとんどはソル連邦やジョードの住人に特別な忠誠心や愛着を抱いてはいない。中には伝統的な友好関係や、ソルやその政体への忠誠心を保っている者もいる。帝国評議会に参加を許された最後の種族であるソルが、衰退する帝国に公然と戦争をしかけた最初の種族になったのは皮肉である。クワン・ワームホールを封鎖したレットネブ艦隊に先制攻撃を加えたのはソル艦隊だった。このことが小規模な紛争を銀河全体を巻き込む大戦……黄昏戦争へと導いたのである。
 ソル国家連合は、一年おきに選出される首相*3によって統治されている。首相は経済、予算、ソル軍を統括する。首相の統治権は、大法院、衆議院、産業院の三つの議会によって掣肘される。以上の四つの機関はいずれも、政治、交易、文化の一大中心地である巨大国際都市ニューモスクワ*4に集中して位置している。
 現任のファン・サルバドール・タオ首相は、急速に始まりつつある新たな時代に備えようとしている。彼はソルの公的植民政策を再び拡大しようとしており、特にケンタウリ、グラル、クワンの旧植民地をねらっている。また力の均衡が変動しており、宇宙がまもなく再びひとつの帝国によって統一されるであろうことも知っている。首相は来たるべき権力闘争と不可避の戦争に連邦が勝利をおさめることを確実にしようとしている。すでにソル艦隊は近隣星系への攻撃指令を待っている。まもなく人類の天命は成就し、遠き星々は彼らの掌中におさまることだろう。

*1:Jord。地球。

*2:mass-drive

*3:High Minister

*4:New Moscow