ウェネリアの大閉鎖

 交易王たちは、ネットワークでつながれた貴族公家の上に君臨し、条約と取引と誓約を通してマニリアの広大な土地を支配している。四百年以上前、「大閉鎖」はすべての海上交通を閉ざし、聖カセラインが民を救うために叙事詩に残る旅をラリオスからエスロリアに向けて始めた。彼は人ならざるカージョールキら、青い入れ墨をした蛮族たち、そして野獣をあがめる未開人らと取引して「交易路」を築き上げた。それ以来、隊商が騎士と城の庇護のもとであらゆる場所から品々を運ぶにつれて、交易王らは富み栄えたのである。
 四十年前、海は開放され、すべてはだめになった。多くの公家が絶望と衰退に陥り、自らの伝統を捨てて蛮族らを支配する小領主になりさがった。だがしかし、少数ながら生き様を守ろうと奮闘する者たちがいる。創設者たる聖人、“放浪者”カセラインの事跡にしたがい、新たな路を探そうとしているのだ。

 「Blood Over Gold」をふと思い立って翻訳している最近ですが、ちょっとよくわからん部分が。
 ウェネリアを過去四百年支配してきた「交易王」たちが、ドーマル船長のせいで没落しているのがキモな設定なんですけれども、海上交通よりも河川交通が全域で復活したことが衰亡の主因とされているのですね。聖人“放浪者”カセラインがマニリア原野に築き上げた「交易路」がおおかた放棄されてしまったということです。
…………ところで「大閉鎖」って河川も含むものでしたっけ? 聖王国の「鏡の海」は大丈夫だったような気がするのですが、マニリアの河川群は皆、大洋にそそぎこんでいる川だからかな?