サーターの陽の天蓋領の第三期における歴史

 http://www.heroquest-rpg.com/new/q-and-a.htmlにて、グレッグが回答していました。以下はテキトーな訳です。

Q.題名のとおりだけど、サーターの陽の天蓋領の第三期における歴史はどうなってるんだい?
A.
キトリ帝国
 「大閉鎖」とドラゴンキルの災厄以後、多くのケタエラ人は“夜のカルト”に宗旨替えした。キトリ帝国は復活し、多くの部族と氏族が再び“影の貢ぎ物”を支払って、暗黒から守ってもらった。キトリ族は“デッコの裂け目”やその他の“影”の聖地で暗黒を礼拝した。
 キトリ族は「暗黒の人」、すなわちトロウルでも人間でもなく、その両方でもなく、ただキトリであるという生き物だった。平信者は保護の対価を支払い、多くの者も彼らのためにはたらいた。そのため、キトリ族の代表者として現れるのは、真のキトリよりも人間やトロウルのほうが多かった。暗黒の生き物である彼らは、森林トロウルの“眼の首飾り”ヴァマルギクがドラゴン・パスで戦争で行ったときにしたがった。キトリ族の集落は、トロウルの森、マルジール河谷上流、フォルサンランドとヴスヴァンにあった。ヘンドレイキ人はこの侵略に対して戦ったが、彼らは弱く、人々は影の保護下に入ることを望んだ。キトリの勢威と襲撃のため、ヘンドレイキの諸部族は儀式目的で使う以外では、ホワイトウォールの大要塞をほぼ放棄した。キトリですらそこでの礼拝に参加したため、ホワイトウォールはオーランス人全員に開放された。
 キトリ族はエズカンケッコを支えて“異邦人”ベリンターに立ち向かったが、無残に敗退した。エズカンケッコと主要な支持者たちは皆殺された。強大なエンギジ川の流れはエスロリアに向かうよう曲げられ、“スティクスの岩屋”は、そこを通って流れる聖なる川を失ったために、スティクス川というよりただの岩屋になってしまった。暗黒の魔術はケタエラ全土で弱体化した。
 今やキトリは弱体化した。彼らは弱くなりすぎて、“黒い槍の氏族”が自分たちの土地を通過するのを阻むことすらできなかった。他の移民の波は、彼らの土地を通るために通行料を支払った。ベリンターはキトリを罰せず、回復を許した。ベリンターはヴォルサクシの諸王がホワイトウォールとその周辺域を奪い取ったときにキトリを助けた。“夜のカルト”は主に鎮めの礼拝を通して拡大した。諸都市のいくつかの場所が聖別され、多くの場所の長たちが貢ぎ物と贈り物を送った。
 1460年から1560年にかけて、キトリはトロウルの森から影の高原に至る地域から税と礼拝を集めた。彼らの勢力は最終的にサーターの“トロウル殺し”ターカロール王と、彼が新たに導入した神々と兵隊である「陽の天蓋寺院」の傭兵団によって粉砕された。多くのキトリはトロウルの森に逃げたが、さらに多くの者たちは陽の天蓋戦士団に捕らえられて奴隷にされた。マルジール河谷上流はバコフィ氏族に与えられ、豊かなフォルサンランド河谷は陽の天蓋戦士団に与えられた。

ヴァーンターと天蓋戦士団
 ヴァーンターは天空と光の諸カルトにとって太古より聖なる場所である。「再定住期」とサーター王国初期の間、ヴァーンターはエルマルにとって重要な寺院であり、どの部族にも属さず、カルトから選ばれたメンバーによってキトリより守られていた。ターカロールの随臣であった“ランタンの”モンローフは、イェルマリオをヴァーンターに持ち帰り、彼の存在は人々を活性化した。そうした人々が急速に成長するカルトの中核になったのである。一世代のうちに、サーターのエルマル信徒の半数がこの新たなカルトに参加して、サーターの諸部族の中におそろしい紛争を引き起こした。多くの身よりのない外国人の存在が、社会上の問題をさらに悪化させた。
 ターカロールはサロニル皇子の末子であった。1550年ごろ、彼はキトリの諸氏族と争い、新興のイェルマリオ信徒らに、もし暗黒の勢力を打ち破ったならば、自分の土地を持って自分の規則をしくチャンスを与えると約束した。“ランタンの”モンローフはこの挑戦を受けて、新たな神の力を用いて防備を突破し、かつては隠されていた場所に分け入った。槍兵に守られた弓兵が勝利をおさめた。キトリは粉砕され、生き残りはトロウルの森に逃げ去った。征服された土地と征服された人々は勝者の間で山分けされた。1579年、ターカロール王はイェルマリオのカルトが、琥珀の平原とフォルサンランドの合法的な所有者であると認め、カルトは新たな陽の天蓋寺院をヴァーンターに建立した。軍事的指導者としてモンローフはケタエラ式の称号「伯」を儀式を採用した。彼の後継者たちはこの称号を受け継いだ。
 普通は「陽の天蓋領」とか「太陽領」と呼ばれるイェルマリオ・カルトの国では、現在およそ12,000人が暮らしている。しかし、うち約2,000人だけがイェルマリオのカルト入信者である。残りは女子供と、エルゲシと呼ばれる大量の奴隷労働者である。彼らは戦争中に捕らえられて奴隷にされたキトリの末裔である。エルゲシ奴隷のおかげで、イェルマリオ信徒の戦士団は霊的実践と軍事奉仕に専念できる。陽の天蓋領は、弓兵と槍兵の集団と優秀なパイク二個連隊を召集できるが、軍の半数は常にエルゲシの監視のため残らねばならない。
 キトリが粉砕されたとき、強い者や幸運な者は原野やテケンのような場所に逃げた。残りは戦士団のエルゲシ奴隷となり、“トロウルの口”とキトリの魔術を捨てることを強制された。法的には、エルゲシは奴卑(thrall)の半分と数えられ、恒常的な儀式上・魔術上の屈辱に耐えなければならない。オーランス人の奴卑とちがって、「暗黒に汚染されているかぎり」エルゲシの子供はエルゲシである。彼らはイェルマリオ信徒の君主たちにとってはいないも同然の存在である。彼らは裸の苦力や運搬夫、耕作夫や荷駄獣として奉仕している。
 エルゲシたちは、自分は“鋤の”オーンターが土を耕したときに暗黒から解放されたのだと言っている。彼らは共同体の儀式では、ヴァーンターの神々を礼拝しているが、奴隷である彼らがイェルマリオに入信することはできない。彼らはさまざまな大地の神々や祖霊や精霊を信仰しているが、暗黒に供物を捧げることは禁じられている。

 今ひとつキトリ族の実相がよくわかりません……単に暗黒の神々を崇拝している人間&トロウルというわけじゃないようで……。もっとも、その末裔を永久奴隷としてこき使っているイェルマリオン側の言い分のような気もしますが。