Age of Conan

 猛然と発売攻勢中のFantasy Flight Gamesから、また版権ものボドゲーが出ました。この三月にようやっと新訳版第4巻で出る運びの蛮勇コナン・シリーズですね。私にとっての魂のヒロイック・ファンタジーは昔も今もエルリックなんですが、あっちのボード版はいろいろとごにょごにょな出来だったのが思い出されますな。てなわけで取り寄せました。

 「Age of Conan」は、蛮人コナンが生きたハイボリア時代の大陸西部(ヴィラエット内海より西)を舞台に、列強四ヵ国(武勇の国アキロニア、魔道の国スティギア、極北のヒューペルボリア、東方よりの遊牧国家トゥラン)が覇を競う陣取りゲームです。各プレイヤーは、プラスチック製のフィギュアであらわされる軍事ユニットと外交ユニット(使節)を使って、地域ごとに区切られた大陸に自分の縄張りを広げることを目指します。最終的な勝敗は、地域を征服したり、カードで提示される戦略目標を達成したりすることで得られる帝国ポイントの多さによって決まります。

 英雄コナンは、列強の思惑とは関係なく次々と盤上で冒険に挑んでいきます。コナンの現在地はコナン・フィギュアで、コナンが目指している地域はオベリスクで表されます。

 ゲームは三つの時代に区切られていて、各時代につきコナンは4つの冒険を行います。各冒険がはじまるときに全員はコナンの操作権をかけてセリを行い、勝った人がその冒険でコナンを動かす権利を得ます(コナン・プレイヤー)。コナン・プレイヤーの手番がまわってくるごとに、コナン・フィギュアを隣の地域に移動することができますが、このとき目的地に近づくように動かすと、貯めると帝国ポイントや秘宝といった特典につながる冒険トークンが手に入ります。ただ、コナンがいる地域ではコナン・プレイヤーにボーナスがありますし、終盤に自分の本国にコナンを誘導すれば大きな得点チャンスになるコナン戴冠を試みられるので、あえて目的地に向かわせないという選択肢もあります。

 このゲームでは、手番にプレイヤーが行うアクションを自由に選べません。ゲーム開始時にスタートプレイヤーは7つの青いダイスを振ります。以降、手番がまわったプレイヤーは、ダイスを1個選んでその目に対応するアクション(軍事、陰謀、宮廷)を行います。7つ全部選ばれたら、改めてダイスを振り直して繰り返します。このあたりは少し同社の「War of the Ring」に似ています。

 軍事や外交といった領土拡張手段をとるとほぼいつでも対決判定(Contest roll)を要求されます。これは攻防両者がそれぞれ、赤いダイスを指定の数だけ振って行います。いくつかの目が地形やカード等の条件下で成功に数えられ、成功の数が多い方がその対決に勝利します(同数なら防御側勝利)。なお命中となる目は攻撃側の方が多いため、対決は原則的に攻撃側有利です。なお、スティギアやヒューペルボリアに獲得の機会が多い魔術トークンは、対決で使うことで、対決ダイスの振り直し権をもたらします。

 軍事的征服は軍隊ユニットを用いて「軍事」アクションによって行います。ほとんどの地域は1回の対決勝利だけでは陥落しないので、征服には手間がかかりますが、達成すればその地域は自領となって城塞コマが置かれ、直接勝利につながる帝国ポイントが手に入ります。

 策謀で中立地域を支配下におさめるには、使節ユニットを用いて「陰謀」アクションを行います。これは1回の対決に勝利すれば支配できる点で有利です。また、達成すれば貴重な資金源であるゴールドが手に入ります。帝国ポイントをもたらす戦略目標には陰謀による同盟締結を求めるものもあります。

 手札になる二種類のカードは、ユニットを増やしたり、対決を有利にしたりする効果があります。王国カードは、各国独自の精鋭部隊やキャラクター、各種イベント等を再現した能力を持っています。ゴールドや魔術トークンを消費することで莫大な効果をあげるカードもあります。一方、戦略カードは全員が共通で使うカードで、特定の地形で成功となる目を増やしたり、特定の地域での陰謀対決判定を有利にしたりします。
 以上のようにして、アクションと対決を繰り返しながら、三つの時代、12の冒険が終わると(またはコナンの戴冠が試みられると)ゲームは終了となります。最終的な得点計算が行われた結果、帝国ポイントが最多のプレイヤーがハイボリア時代の覇者となります。

 ちょっとマップにくらべてフィギュアが大きいのが難点ですが、道具はいつもながらカラフルで見応えがあります。ルールだけ読むと割とシンプルな感じですが、各種カードを使うことでハイボリア時代な雰囲気が出てくるんではないかと推察。

真紅の城砦―新訂版コナン全集〈5〉 (創元推理文庫)

真紅の城砦―新訂版コナン全集〈5〉 (創元推理文庫)