鼠衛士の冒険(2)

Mouse Guard: Fall 1152 (Mouse Guard (Paperback))

Mouse Guard: Fall 1152 (Mouse Guard (Paperback))

第二章:鼠衛士隊(承前)

■ロックヘイブン
 衛士隊の本拠地であるロックヘイブンは、岩塊深くうがたれており、外から見るとツタに覆われた石にしか見えません。その内部はもうかつてのような村ではなく、衛士たちと客分が暮らす城塞に他なりません。しかし、自給自足体制がととのっているため、衛士隊が保護する村々から税を徴収するということは全くありません(お礼はもちろんありがたく受け取ります)し、緊急の際に備えて多量の食料が備蓄されています。さらに、ロックヘイブンは保存性がよく美味な木の実のパンと、衛士のマントに代表される卓越した織物、それから養蜂師が飼いならすミツバチで有名です。
 「Mouse Guard」の最初のセッションは、必ずロックヘイブンの地図室からはじまります。ここで衛士隊総長であるグウェンドリンから、PCグループに最初の任務がいいわたされるのです。もちろん、それ以後も折にふれて本拠であるここにたちより、休息をとることになるでしょう。

■衛士隊の誓い
 すべての衛士が入隊時に約する誓い。

我ら衛士、わが種の安寧と、同胞の自由と、父祖の名誉を守らんがため全てを捧げん。
知と剣と盾とをもって、我らこの務めをなさん。独りを全ての上に置かず、己が欲を他の上に置かじ。
我らが励むは、ただ至大なる善に仕うるためなり。


■衛士隊の務め
 以下が衛士隊に期待されている主な仕事です。これらがセッションで課せられる任務(ミッション)の目的となるでしょう。
巡邏:自分たちがいつどこで必要とされるかはわかりません。衛士たちは「なわばり」内に起こる問題にすばやく対処できるように、グループ(巡邏隊)を組んで所定の経路を巡回しています。時にはロックヘイブンからずいぶん遠方まで行くこともあります。
道の開拓と整備:集落と集落をつなぐ街道は、危険の潜む原野を通っていきます。衛士隊は新しい道を切り開くのと並行して、既存の道が大自然に覆い尽くされたり、破壊されたりしないよう整備を怠りません。
偵察:衛士隊の努力にもかかわらず、「なわばり」の中でも未探査の地域はまだまだ広大です。そうした原野に分け入って様子を探ってくるのも衛士隊にしかできない仕事です。
郵便:村から村へ移動する衛士たちは、手紙や小荷物などを託されることがあります。時にはたいへん重要な内容のものもあるでしょう。
護衛:たとえ街道であっても肉食獣や大自然の脅威、時には同胞たる鼠の山賊などなど危険は多く、護衛任務は衛士隊のいちばん大切な仕事です。
天候観測:天候は小さな鼠たちとその共同体にとって死活問題となります。大災害となる前に危機を予測するのが衛士隊の役目です。
肉食獣狩り:鼠たちは天敵に事欠きません。たとえイタチを遠ざけている「匂境」の中であっても、いろいろな動物を追い払わなければなりません。
救助:道に迷ったり、獣や敵の手中に落ちたりした同胞を救えるのは衛士隊のほかにありません。
紛争の調停:社会生活を営む鼠たちには争議がたびたび起こります。中立的な立場からこれを仲裁する役目にも衛士隊が駆り出されます。
匂境の維持:「なわばり」と曠野やイタチ王国をへだてている重要な国境線が「匂境」です。特別な薬品で維持されているこの防衛線が破られぬよう監視し、維持するのは衛士隊のつとめです。

■巡邏隊(The Patrol)
 PCは巡邏隊と呼ばれるパーティーを組んで、命じられる(高位ならば自分で必要と判断した)任務を果たすために、ロックヘイブンを中心に「なわばり」を旅してまわります。PCはみな衛士ですが、それぞれの背景や性格等によって得意な分野があります。おたがいに不得手なところをカバーしあって、任務の成功に邁進することになるわけです。
 衛士隊には五つの階級があります。上から、衛士隊長、巡邏隊長、巡邏衛士、鼠衛士、柔爪(新米)です。軍隊のように厳格な上意下達社会ではありませんが、目上の者からの指示や忠告は尊重されます。そして総長グウェンドリンが全体を統括します。

キャラクターの諸要素:続いて、キャラクターのデータについて説明があります。鼠たちの名前は古い英語に似たものが多いそうです。また、原作コミックの登場人物であるサディー、サクソン、ケンジー、リーアムという四匹の衛士たちがクイックスタート・キャラクターとして挙げられています。

(以上第2章)