ルールサマリー暫定的に作成ちう

 とりあえずまとめてPDFにするべく作成進行中。対決の運用オプションがたくさんあってちょっと難儀。
 以下は覚書。

能力とマスタリー

 HQ2のキャラクター・データは全て「能力」Abilityで表記されます。書式は「能力名、能力値」で統一。
例:剣と盾で戦う 17
 能力値は1〜20の値をとりますが、21以上の値はマスタリーという記号を使って表します。マスタリーは「W」に似た記号*1で能力値の後ろにつけて書きます。W1個で+20をあらわします。Wの後の数字はWの個数をあらわします。
例:11W2 = 51

ダイスロール

 HQ2は1d20のみで判定します。ダイスロールを要求されたら、1d20を振って能力値と比較すると成功段階が出ます。成功段階は上から下に四段階。

  • クリティカル:1の目
  • 成功:目標値以下の目(1は除く)
  • 失敗:目標値を上回る目(20は除く)
  • ファンブル:20の目

対決の概要

 経過1648 - The Wapentakeで述べたように、HQ2ではプレイヤーの企図する目標が達成できたかどうかを「対決」Contestというシステムで決します。
 対決はその名のとおり、プレイヤー対ナレーター、あるいはプレイヤー対プレイヤーでダイスロールの結果をくらべあうことです。このとき、ナレーターが使う“能力値”を特に「抵抗値」Resistanceと呼びます。抵抗値の表記は能力値とまったく同じですが、決め方が独特です。
 それから、対決には手順の複雑さに応じて三種類が、単独と集団の区別をつければ五種類があります。

自動成功

 ナレーター(HQ2でのGM)側からプレイヤーのもくろみは判定の必要なく達成されたことを宣言します。PCの助力を求めている町からいくばくかの援助を得る等、特にめだった反発もなく達成できそうな企図は、自動成功でさらっと処理します。

即時対決 Simple contest

 対戦者双方1回ずつのダイスロールで対決の結果を決する方法です。すばやく行えるので、特に劇的な場面以外では即時対決の使用が推奨されます。反面、あっさりと勝敗が決まるので場面によっては納得がいかない向きもあるかもしれません。そういうときは後述する継続対決を用います。
 即時対決では、対決の設定を行った後*2、双方がダイスロールを行い、その成功段階をくらべて勝敗段階を決します。

  • 成功段階の差が
    • ない:低い目を出した方が僅差の勝利、他方が僅差の敗北。同じ目から引き分け。
    • 1段階:よりすぐれた方が小差の勝利。他方が小差の敗北。
    • 2段階:よりすぐれた方が大差の勝利。他方が大差の敗北。
    • 3段階:よりすぐれた方が完全な勝利。他方が完全な敗北。

 しかしこうして勝敗段階が決した後で、マスタリーの効果が適用されます。

  • 使用した能力のマスタリー数の差が
    • ない:成功段階はそのまま。
    • 1以上ある:よりすぐれた方の成功段階は差分だけ上昇(段階上昇)。

 また、プレイヤーはヒーロー・ポイントを使って自分の成功段階を意図的に上昇させることができます。1点使うごとに1段階上昇し、一度に何点使ってもかまいません。
 マスタリーとヒーロー・ポイントの効果を適用したら、その対決での最終的な勝敗段階が決まります。敗北側は段階に応じた負傷(State of Adversity)*3をこうむり、勝利側は有利な継続修正を獲得します。

集団即時対決 Group Simple contest

 上述の即時対決は一対一を想定しています。しかし実際には複数人が協同してひとつの対決にあたることが多いでしょう。そんなときは集団即時対決を使います。この方法では「解決ポイント」(Resolution point:RP)という数値を使って勝敗を決します。RPは他のゲームでいうところのダメージにたとえられる数値で、現在の形勢を表現します。
 集団即時対決では、対決の設定を行った後、参加者各人がダイスロールで出した成功段階を「RP表」にあてはめます。該当する数字が、自分のRPとなります。それから陣営ごとに全員のRPを合計して、相手陣営と比較します。RP合計が大きい側が勝利し、差が勝敗段階を決します。勝敗段階は同じ陣営に属する全員に平等に適用されます。
 マスタリーとヒーロー・ポイントの適用など、その他については即時対決と同じように処理します。これは以下の継続対決でも同様です。

継続対決 Extended contest

 物語のクライマックスなど、プレイヤーがより詳細な手順をのぞむような場面では、継続対決を用いることができます。
 継続対決は決着がつくまで何回も即時対決の手順を繰り返すやり方ですが、RPを使ってやりとりの進行を追っていきます。
 対決の設定をした後、双方のダイスロールで出した成功段階を「RP表」にあてはめて、その回(応酬 Exchangeと呼びます)*4で“自分が相手に与えた”RPの数を出します。継続対決で注意すべき点ですが、問題になるのは「自分に対して相手が与えたRP」、いいかえれば「自分がくらったRP」の数です。前述のように、RPをダメージのようなものとして考えるとわかりやすいかもしれません。
 自分がくらったRPが合計5点以上に達したら、その対決から脱落します。一対一の対決ならそのまま敗北となります。達していないなら、次の応酬に進んで同じ手順を繰り返します。
 勝敗が決したら、RP合計の差から勝敗段階を決します。

集団継続対決 Group Extended contest

 一方の陣営に複数人がいる場合に継続対決を行う場合は、対決の設定をした後にまず、参加者全員を一対一の対戦組に分けていきます。もし参加人数に差があるなら、ひとりを複数の組に同時に参加させることになります*5
例:「グリゼルダ、ミナリス 対 ギムギム、ジョージャー、タラ・エリオ」の集団継続対決の対戦組は、

  • リゼルダ 対 ギムギム
  • リゼルダ 対 ジョージャー
  • ミナリス  対 タラ・エリオ

となりました。
 あとは、各対戦組について一対一の継続対決を行っていきます。このとき、複数の組に参加している人がくらったRPは組をまたいで合計しないということです。例で言えば、グリゼルダがギムギムから3RP、ジョージャーから4RPをくらっていたとしても、まだ彼女は脱落ではありません。もしどちらかの組で合計5RP以上くらってしまったら、その時点で脱落となります。
 対戦組での相手が脱落したが、まだ敵陣営に人員が残っている場合は、次ラウンド開始時に新たな対戦組を組むことができます。

クライマックス・シーンでの負傷

 HQ2では、対決を行うシーンを展開シーンとクライマックス・シーンの二種類に分けており、各シーンがどっちになるのかの判断はナレーターに任されています。二種類のシーンの違いは、RPを使ったときの負傷の受け方にあります。上述は全て展開シーンでの処理です。
 クライマックス・シーンでは、勝敗が決した後、参加者各人の負傷段階はその対決中にくらったRPの“総計”で決まります。つまり先ほどの例で言えば、展開シーンならばグリゼルダはギムギムとのRPの差のみにもとづいて敗北の度合いが決まりますが、クライマックス・シーンだとギムギムから受けたRP全額に加えてジョージャーから受けたRPも考慮されることになります。この結果、敗者はよりひどい被害を受け、勝者もまた無傷ではいられません。

独立行為 Unrelated Action

 集団継続対決で対戦組に参加していないキャラクターが行うアクションはRPに関係ないため、独立行為と呼ばれます。代表的な独立行為としては「支援」Assistがあります。
 支援は、対戦中の味方に敵が与えたRPを減少させるアクションです。支援の内容と使用能力を納得できるような形で説明した後、適当な抵抗値について即時対決を行います。この勝敗段階を「支援表」にあてはめた結果にしたがって対象のRPを増減します(大きく敗北するとRPを増やしてしまいます!)。
 なお、増強は対決に先立って行うたぐいの強化なので、対決中には原則行えません。

従者 Follower

 キャラクターが持つ能力の中には、つきしたがって対決で共闘する人物や団体を表す能力もあります。
例: 配下:町の民兵団 5W
 こうした「従者」は継続対決で活躍します。従者の使い方には三種類あります。

  1. 対戦者:主人と同様、独立したキャラクターとして対戦組に参加します。
  2. 副対戦者:主人とともに対戦組に参加し、主人がくらったRPを肩代わりできます。
  3. 支援者:対戦組には参加せず、独立行為を行います。

 なお、従者は主役ではないので3RPくらうと脱落してしまいます。

対決のオプション

 継続対決で決着を早める、または遅めるためのオプションが二種類あります。

  • 危険な賭け:相手に与えるRPが1点増えますが、かわりに自分がくらうRPが2点増えます。
  • 守りを固める:自分がくらうRPが1点減りますが、相手に与えるRPも2点減ります。

(今日はここまで)

*1:支配のルーン

*2:プライズと作戦を決定。

*3:必ずしも物理的な負傷ではなく、対決の内容に応じた悪影響のこと。

*4:参加者全員の応酬をまとめてラウンドと呼ぶ。

*5:対戦組に参加せず後方支援にまわる選択もあります。