サーンゴース(Cerngoth)

 ちょっと思い立ってあちこちの資料から情報を集めています。以下覚書。

 パマールテラ大陸の北西部沿岸にあるマルキオン教徒の国がサーンゴースです。西のエンクロッソ大密林と嵐の蛮族が住むウーマセラの針葉樹地帯、東の奴隷制で知られるフォンリット半島、南のヴラーロスの落葉樹森林といった、それぞれ一癖もふた癖もある地域に囲まれています。サーンゴースは首都である港都ニコスドロスのほかいくつかの都市から成っており、国土の多くが森に覆われている上、ヴラーロスのブラウン・エルフと同盟してフォンリットと争っているというユニークな国です。
 もともと第二期に北から渡来したマルキオン教徒(マルキ人)の植民地でしたが、神知者と袂をわかち、聖典「不変の書」を否定したことで第二期末の破滅をまぬがれました。このため、サーンゴースにはいろいろな教派が混在しています。
 その後、「大閉鎖」によって取り残されたマルキ人たちは、生計の道だった海洋貿易を失って逼塞しました。エンクロッソとヴラーロスのエルフは再び強勢となって人間に圧政を敷きました。さらに、東からはフォンリットのアーファジャーン帝国が侵略を強めたため、マルキ人たちはエルフに協力して、コーマルカンの嵐の蛮族たちとともに八度にわたる「季節戦争」(1340-1458)を戦い、フォンリット人を追い払いました。エルフとの同盟関係はこのときから始まります。
 1580年、「大開洋」にともなって北から謎の艦隊がやってきました。外洋航海の秘密をにぎる彼らはたちまち沿岸地方の諸都市を征服しました。まもなく彼らが太古よりのマルキオン教徒の敵であるヴァデリ人であることが明らかになりました。開洋の儀式を会得したマルキ人らはヴァデリの艦隊を1594年のオエリンコ岩の戦いで撃滅して支配を取り戻しました。以後、生き残ったヴァデリ人は都市の一区画に押し込められて生活しています。
 海運業の復活とともにサーンゴースは息を吹き返しました。現在、周辺の人間のほとんどはニコスドロスの大主教(Patriarch of Nikosdros)に貢ぎ物を送っています。大主教はアギモリとの混血で、ヴラーロスのブラウン・エルフとの同盟を取り結んだことで知られています。
 サーンゴースの住人は、貧民層には白人が多く、おそらくは没落したマルキ人の子孫です。しかしたいていの住民は、海運国であることを反映して混血人種です。

ニコスドロスの港のイメージ

 安直だけどアルジェみたいな感じ?

 神知者時代の古い建物にまじって新しい建物が林立し、あちこちにいろいろな教派の教会が点在か。バザールが雑然とにぎわっていそうです。地図を見ると、ニコスドロスは森林に囲まれているんですよね。やっぱりエルフとの同盟があるから、おいそれと森に手を出せないのか。神知者はヴラーロスの森を焼き払っていますし。倒木だけを使って建築する魔術がありそう。

 「Men of Sea」によればマルキ人はドロモンド船(Dromond)を使うそうです。ググって見るとどうもビザンチンの三角帆ガレーらしい。これを使って沿岸航行するんでしょうな。外洋航海はどうするんだろう。すぐ接する外洋はダショモ海ですが、獰猛なマラスプ魚人の王国があるしな……。ほんまグローランサの海は地獄やでー