謎めいた公子の政敵

総本山(http://www.worldofdarkness.com/)更新。ニューオリンズ・パーソナリティーズその3。

  • アントワーヌ・サヴォア、フレンチ・クオーターの領主 Antoine Savoy
    • 氏族:デーヴァ
    • 盟約:聖なる槍
    • アントワーヌ・サヴォアは、ニューオリンズがスペインの手に渡った1762年には、すでにこの街で地歩を固めた長老だったと主張している。また、かつてのフレンチ・クオーターの領主であるマリア・パスカルの腹心および協力者として、彼女が1800年代末に滅ぼされるまではたらいていたとも唱えている。いずれについても、彼の主張を裏付ける証拠を誰も見つけてはいない。1848年以前の彼については、何の記録も残っていないし、長老の血族の記憶にもない。これにはレディ・マリアについてよく知っている者も含まれている。にもかかわらず、アントワーヌ・サヴォアは、マリアの死からいくらも経たぬうちに、ニューオリンズのフレンチ・クオーターに支配を及ぼすことに成功した。その理由の一端は、事実、彼がマリアの知識を用い、その最強の協力者たちの多くの支援を受けることができたからであるらしい。彼は、自分が1848年までまるでいなかったかのようであることを、単に自分の活動を秘密裡に行える能力の保証であるにすぎないと頑なに主張している。
    • フレンチ・クオーターが今日のような観光地に発展して以来、サヴォアはそこへの支配力を使って影響力を拡大してきている。彼に縄張りと食餌の認可権を認めようとしないビダル公子と絶え間なく熾烈に争っているサヴォアは、この冷戦を実際に自身の権威を固めるための手段として用いている。クレオールの地元民である(あるいは外見上はそう見える)彼は、地元民の歴史的、人種的、宗教的関心を利用している。サヴォアは自分を、黒人、クレオール、そしてヴードゥー文化と血族の守護者であると言っている。サヴォアをそしる者の多くは、彼はこうした大義を単に自身の目的を遂行するために利用しているにすぎない詐欺師であると言っている。どの程度彼の言うことが本当なのかは、誰もが憶測するところだが、彼は自分を失脚させようとするビダル公子と“墓地男爵”(Baron Cimitiere)の画策に頑強に対抗できるだけの支持者と配下を集めてきた。

なんだか得体の知れない長老が出て参りました。誰ひとり彼がいたことを覚えていない……が気がついたらすでに有力者になっていた、というのは色々と妄想をかきたてられる設定ですね。V:tMだとさしずめメトセラの謀略か、自身がメトセラか、ってところなんですが、ジハドがないV:tRだとどういうふうに料理すればいいのかな。
さて、それはそうと「Baron」てのが初登場しています。一応「男爵」と訳しましたけど、これってやっぱり叛徒自由州のあの「バロン」なのかなあ。そうだとするとカルシアン運動の指導者っぽいですが。公式BBSの議論によれば、どうも「Baron Cimitiere」というのはヴードゥー用語で「墓場の男爵」みたいな意味で、いわゆるV:tMの変人「バロン・サメディ」氏のバロンらしいです。
もう少し調べてみました。(ソース:http://www5a.biglobe.ne.jp/~dambala/what_voodoo_is.html)。ロア(ヴードゥーの精霊)のうち強力な三者の一が「墓地男爵」とのこと。ということは、地元のヴードゥー系血族の長なんでしょうね。ビダル公子はヴードゥーを厳しく取り締まっているようですから、公子・サヴォア・墓地男爵、の三極の対立構造がまず見えてきたわけです。これにカルシアン運動とか加わって、複雑な政治状況を呈しているのだろうと想像。しかしそうすると墓地男爵の盟約ってなんなのかな?