Three kinds of PARANOIA
- Classic(クラシック)
- 「PARANOIA Classic」は、長年のファンの間で人気のある、スラップスティック・コメディ的遊び方です。トラブルシューターたちは、時にはちやほやされ、時にはひどい目にあいます。そのさじ加減はGM次第です。トラブルシューターたちは、ミッションがまともに始まる前に1つか2つのクローンを失い、ミッションが終わる前にクローン6体のストックを全部消費してしまうことでしょう。キャラクターの名前は普通、ふざけたようなシロモノです。
- コンピューターには悪気はなく、正しいことをやろうとし、正確なデータを与えているのですが、決してそうはならず、結果としてコンピューターは完全なパラノイアに陥っています。アルファ・コンプレックスは、制御不能な官僚機構、危機的な社会資本、そして頻繁に発生する巨大な放射性のミュータント・ゴキブリのせいで、永続的な崩壊状態にあります。
- Classicプレイは、1回から数回のセッションで終わるミッションに最も適しています。あなたがPCに命じた秘密結社のミッションによって、彼らは最初の場面が始まるやいなや、おたがいの首を絞めようとしはじめます。同じトラブルシューターのチームで継続してClassicのミニシリーズを薦めることも可能ですが、個々のメンバーであるPCはかなりの速さで参加しては死ぬ、を繰り返すことになるでしょう。ギャグの連発と、奇妙きてれつな試作品装備を強調してください。
- Classicの参考作品:ロバート・シェクリイ、ダグラス・アダムズ「銀河ヒッチハイク・ガイド」、“The Onion”(http://www.theonion.com/)の諸記事、漫画“Dilbert”(http://www.unitedmedia.com/comics/dilbert/)、映画「2300年 未来の旅」、「ゴーストバスターズ」、「バトルランナー」、「Office Space」、「The Marx Brothers」、テレビシリーズ「マックス・ヘッドルーム」、「宇宙船レッド・ドワーフ号」、アニメ「Futurama」、「Sealab 2021」。
- Straight(ストレート)
- 「PARANOIA Straight」は、緊張感、相互不信、スパイ、詐術、そして注意深い証拠集めに焦点をあてた、暗澹たる風刺的な遊び方です。アルファ・コンプレックスは圧制を敷く全体主義的官僚機構であり、独自の狂気じみていながらも理解可能な論理を用い、おそろしく有効に機能しています。全能のコンピューターは、合理性を重んじますが、常にPCたちの四手先を行っています。トラブルシューターたちは一般に、英雄的な冒険者として敬われています。トラブルシューティングは、リスクも高いが、支払いも多い社会的栄達の道であり、かしこく、感情を表に出さぬように立ち回る者は、この圧制機構の中で生き延びるすべを学ぶことができるのです。トラブルシューターたちは、始まった瞬間に自動的に敵同士というわけではありませんが、次第に個人的な確執と証拠書類を作り上げていくことになります。
- この遊び方はとてもおもしろいものになりえます。指定の「Staright」ルールと熟練した「PARANOIA」のプレイヤーがいれば、同じキャラクターで関連した一連のミッション、つまり「ミニシリーズ」をプレイするに充分なだけ、キャラクターたちを生き延びさせることができるでしょう。PCのミッションに、お仕着せの敵対関係を取り入れないように! それらは彼らが自分たち自身で作りだしていくものだからです。プレイヤーは世界設定に没入し、コツをつかみ、自分のキャラクターに感情移入していきます。こうした設定では、あなたは彼らを頭の先から足の先まで徹底的にこわがらせることができるでしょう。
- Straightの参考作品:フランツ・カフカ、ジョージ・オーウェル「1984年」、オールダス・ハクスリー「素晴らしい新世界」、フィリップ・K・ディック「最後から二番目の真実」、ジョセフ・ヘラー「キャッチ=22」、スタニスワフ・レム「Memoir Found in a Bathtub」、映画「THX-1138」、「博士の異常な愛情」、「未来世紀ブラジル」、「リベリオン」、「ソイレント・グリーン」、テレビシリーズ「The Office」(BBC)、「プリズナーNo.6」。
- Zap(ザップ)
- 「PARANOIA Zap」(GMによっては“キ印”とか“やりすぎ”とか)は、このゲームの初心者グループの間で即興的に勃発する、頭のおかしくなりそうなカートゥーン的遊び方です。トラブルシューターたちは漫画的に使い捨てされ、尊敬されてもいません。トラブルシューターの最初のクローンは、ゲーム開始時1分で死ぬでしょうし、残りもたぶん90秒ごとに後を追うでしょう。銃撃戦は、プレイヤーが単に「ところでBouncy Bubble Beverageっていったいどんなものなんだ?」と言っただけで発生します。キャラクターの名前は、ここに挙げるのもバカバカしいものばかりです。コンピューターの論理は、匿名のハイ・プログラマーがプログラムした極悪非道なシロモノです。誰が見ても、アルファ・コンプレックスは永遠の混沌と破壊の背景幕です。ミッションはたいてい、現在のポップカルチャーのパロディです。
- Zapは、他のゲームの長いキャンペーンを終えた後の良い息抜きとして、一回限りで行うプレイに適しています。「PARANOIA」についてよく知らない人は、これがみんなやってる遊び方なのだと考えてしまうかもしれません。
- Zapの参考作品:他のほぼすべてのロールプレインゲーム。ただしネガティブな意味で。他のロールプレイングゲームは、プレイヤーたちに善のための英雄的な行為を強要して疲労困憊させてしまいます。こういう初心者プレイヤーたちが、アルファ・コンプレックスに降り立ったら、解放された純粋なアナーキーのアドレナリンの洪水によって、レーザーをにぎる指はふるえることでしょう。多くのグループは、そのうち上の二つの遊び方のどちらかにステップアップしていきます。