ソロマニ連合覚書

RPGamer次号ではトラベラー宇宙での星間戦争ゲーム「Dark Nebula」が復刻されるそうなので、遠未来マインドがむくむくと。
んで、「Rim of Fire」*1を引っ張り出してみました。

  • ソロマニ連合:帝国の銀河辺境方向に位置する既知宙域第三の大国。帝国暦704年にソル星系の半径50パーセクの範囲に成立したソロマニ自治区を前身とする。地球人類(ソロマニ人)を優越種と位置づけ、その支配権を主張するソロマニ主義を標榜する思想国家。帝国と長きにわたって冷戦状態にある。首都はアルデバラン宙域にあるホーム星系。帝国軍に占領されたソル星系奪回を悲願としている。
    • ソロマニ・リム戦争:第三次辺境戦争の混乱に乗じて独立を宣言したソロマニ人に対して、990年、ガヴィン皇帝は公式に宣戦布告。ソロマニ・リム戦争が勃発した。当初、ソロマニ側に優勢に推移したが、長期化にしたがって戦線が崩壊。帝国軍による地球侵攻作戦の成功をもって事実上終結した。
  • 中央政府
    • 書記局*2:ソロマニ連合の最高行政機関。連合の各加盟世界(行政区)で選出される書記たちが構成する議会。書記選出の方法は世界の政体によって様々に異なる。弱小な世界の場合、単一で行政区を構成できないことがある(複数の世界で1人の書記を選出)。書記の被選挙資格は、ソロマニ党員であること。書記局の主業務は、軍やソルセックをはじめ政府諸機関について予算を組むこと。これ以外については、書記局での立法は恒星間の案件に限られ、加盟世界に内政干渉できない。
    • 書記長:ソロマニ連合の最高行政官。党最高幹部会議の議長を兼ねる。書記から任期4年で選出(多選可。書記局または選挙区で弾劾されることがある)。しかしその実権は、最高幹部会議の他のメンバー(特に軍とソルセック)によって大きく掣肘されている。
  • ソロマニ党
    • 連合内で唯一合法の政党。ソロマニ優越主義を標榜し、ソロマニ人による支配を目指している。連合内だけでなく、連合国境外約20パーセクの範囲にある諸世界のソロマニ人の中にも多数の支持者を得ている(その多くは非合法だが)。理論上は、ソロマニ人の血を引く人類は自動的にソロマニ党の党員資格があるが、連合市民でも無関心や個人的信条を理由に、党員にならない者が多い。ただし、連合内で高い地位を得ようとするならば、党員になることは必須である。
    • 党大会:熱心な党員は各地で開かれる党大会に出席する。また、連合首都ホームでは四年に一回、総会が開催され、党執行部の選出と党全体の方針決定が行われる。総会の結果が、その数ヶ月後に行われる書記および書記長選挙に大きく影響する。
    • 党組織:委員会と運営会議による厳格な階層体制。各党員は近隣に居住する約十人から成る細胞に属する。十個の細胞が1つの党委員会によって統括され、各細胞からは1人ずつ党委員が選出される。十個の党委員会が1つの監督委員会によって統括される。以降も同様であり、最上位に位置するのが十人の閣僚から成る最高幹部会議である。閣僚は、書記長、ソルセック長官、海軍大提督、陸軍大将、他六人から成る。書記長が議長をつとめるが、書記長が退任しても他閣僚は総辞職しないため、強い権力を保ち続けることになる。
  • ソロマニ軍
    • 帝国軍にくらべて、連合内の治安維持に非常に積極的な役割を果たし、ローカルな問題にも介入をためらわない。連合軍は陸海二軍に分かれている。
    • ソロマニ海軍:星域単位で艦隊が編成されている。戦時には「ソロマニ大艦隊」として統合運用されるが、平時には各艦隊はかなり独自に活動している。とはいえ、ソロマニ海軍は中央による統制が厳しく敷かれており、帝国海軍にくらべて中央軍令部の力がたいへん強い。また、ソロマニ海軍は帝国における偵察局の業務も執行している(探査、測量、運輸など)。連合海兵隊は海軍の一部門として存在している。
    • ソロマニ陸軍:海軍にくらべて中央の統制がゆるい。部隊のほとんどは連合加盟世界から供給されるため、名目上は連合陸軍として統括されているものの、ほとんどの部隊は連合中央政府の召集がなければ、出身世界にそのまま駐屯する。連合の常備軍として活動する精鋭部隊は、ソロマニ主義に賛同する者から注意深く選任される。平時には、これら連合常備軍は内政および外交における切り札として活躍し、戦時にはソロマニ軍の主力精鋭部隊となる。
    • ホーム・ガード:各加盟世界は、ホーム・ガードと総称される予備兵力を保持している。兵役についていない成年男子はホーム・ガードの予備役として登録することが推奨されている。ホーム・ガードは公益事業や災害救援でも活躍し、時には反乱鎮圧作戦にも従事する。ホーム・ガードの将校は連合軍の退役軍人から選ばれる。地域密着型のホーム・ガードの存在は、連合内部に亀裂を産む原因ともなっている。また、事実上の国民皆兵であるため、連合に対する反乱は、その多くがホーム・ガードによって引き起こされている。さらに、ソロマニ諸世界は地元のホーム・ガードに軍事費のほとんどを傾注しているため、祖国防衛のためには積極的に戦うものの、対外遠征には非常に消極的だという傾向を持つ。このことが、連合、帝国、アスランの三大国の間の冷戦状態の継続に一役かっているのである。
    • 傭兵部隊:連合の加盟世界は帝国よりも広範な自治権を有しているため、加盟世界どうしの抗争も帝国より頻繁である。さらに、ホーム・ガードの存在により、傭兵業務にあたらせることのできる人的資源は豊富である。この結果、ソロマニ連合は傭兵市場のメッカとなっている。連合政府はこの状態を黙認しており、連合自体も精鋭傭兵部隊を雇うことで知られている。帝国領内でもソロマニ出身の傭兵が雇われることは多いが、帝国はこうした状況を喜んではいない。
  • ソロマニ保安局(ソルセック)
    • ソロマニ連合をまとめる“にかわ”の役割を果たす秘密警察組織。「あらゆる敵に対して、ソロマニ主義を護持する」ことが任務である。“敵”は外からだけでなく内からも現れるという認識がある。ソルセックの役目は、党、軍、加盟世界、そして連合市民全員にソロマニ主義を支援させることである。
    • モニター:連合社会内にソルセックが潜入・雇用している“密告者”。市民として普通の生活を営みながら、周囲の人々が持つ政治的信念についてソルセックに報告する義務を負う。こうしたモニターは連合社会のあらゆる場所にいる。モニターにはおおっぴらにソルセック局員であることを明かしている“公開モニター”と、局とのつながりを隠す“秘密モニター”の二種類がいる。ソルセックが特に注目するのは、軍人、星間商人、財界人、地元政府役人、政治活動の活発な市民、宗教指導者など。恒星間業務にたずさわる市民はソルセックの注意を引くということである(もちろんPCも!)。
    • 政治将校:ソルセックが連合軍に送り込んでいる“公開モニター”。部隊指揮官がソロマニ主義に忠実であることを確実にするための番犬である。陸海軍の少佐以上の士官は、幕僚内にソルセックの政治将校を入れることを期待される。政治将校は指揮系統の中に属さず、所属する士官より一段階下の階級として配属される。政治将校は、連合全体に張り巡らされたコンピュータネットワークを通じて局に報告する。
    • エージェント:監視を行うモニターとは別に、局のために積極的な活動を行うエージェントが雇われる。エージェントはたいてい、普通の市民をよそおいながら、任務を受けて秘密裡に活動する。ソロマニ主義に否定的な市民がモニターによって報告され、そうした不忠誠が大きな脅威になると判断された場合には、ソルセックは地元警察やエージェントを使って、そうした反乱分子を社会から効率的に排除する。ただしその方法については、加盟世界の政体に応じて、荒っぽいものから、人目につかない巧妙なものまで多種多様である。

*1:GURPS:Travellerのサプリメント。ソロマニ・リム宙域詳説。

*2:メガトラベラーでは事務局、事務総長でしたけど、やっぱりこれはソ連ふうに書記局、書記長のほうがしっくりくるんじゃないでしょうか。