Traveller The New Era 1248: Sourcebook 1 "Out Of The Darkness"

 RPG Nowで販売している準公式トラベラーニューエラ設定ソースブック。
 以前にGDW社から発売されていた「トラベラー:ザ・ニューエラ」のオールド・エクスパンス宙域のスターバイキング*1と、ノリス大公のデネブ摂政領*2設定の直接の続編になっています。
 歴史部分が全体の半分を占めているんですが、反乱戦争からハードタイムズの概説に続いて、ルカン=デュリナー戦争の中で研究基地オミクロンから解き放たれた恐怖のコンピュータ・ウィルスによる既存文明の瓦解、各反乱勢力の顛末&末路、ウィルスの進化、そして復興の兆し、二千世界の大変動、暗黒帝国の恐怖、「全人類の大艦隊」*3の結成、人類絶滅をかけたククリー人帝国*4との史上空前の大宇宙戦争、果ては第四帝国の胎動、全ての動乱の根源である銀河中心核での異変、太古種族の動向……と盛りだくさんきわまりない内容です。
 まだざっとしか読んでいませんが、“Viral Emperor”ルカン陛下のすさまじい活躍っぷりにアゴがはずれました。まさに帝国崩壊後の中心人物といえるでしょう。つかやりすぎ。旧コア宙域こと「暗黒帝国」で全知全能皇帝と化して恐怖と絶望をまきちらすわ、超ド級戦艦「インビンシブル」と文字通り一体化して雲霞のごときククリー大艦隊のただ中に突撃するわ、とか(主にマイナス方向に)熱すぎまする*5
 旧デネブ大公領とソロマニ連合は動乱の末分裂、ヴィラニ人はヴランドを核攻撃されながらもしぶとくジル・シルカ復興続行、ヴァルグルとアスランとハイヴはいつものとおり、ククリーはいろいろあって発狂(=銀河聖戦大発動)。あと、ダイベイ公爵領とマーガレット領のたどった苦闘と滅亡の道程はかなり落涙ものです。そして、待望される第四帝国はかつて“本当のストレフォン”がいたあのガシェメグ宙域アスディキから産声をあげます。
 なにせおっそろしく派手な歴史展開なので、比較的地味な感じだった旧トラベラー時代の雰囲気からすると好き嫌いが別れると思いますけど、旧トラベラーでもニューエラのシステムでも運用できるように書かれている辺りは好感度大です。
 これもぼつぼつ解読していきます。

*1:ハイヴ人の支援を受けて、荒廃した周辺世界からテクノロジーを回収し、文明復興を目指す冒険家たちの星間連合。

*2:ウィルス襲来を水際で食い止めた第三帝国文明残存地。

*3:Grand Fleet of the Humaniti。ソロマニ人、ゾダーン人、ヴィラニ人が手を組んだ史上初の連合艦隊

*4:The Great Dominate of the Gods of Thunder。ひとりのククリー人?預言者に率いられた巨大帝国

*5:あげくには(結果的に)人類の救世主となって「ルカン大帝」と呼ばれるようになったりするんですよ。なんじゃそら