フォン・ベック・サーガその1

 読了。三十年戦争とは渋いですけど、確かに終末感ばりばりの時代背景ですよね。
 81年に書かれたもので、初期のファンタジー路線(エルリック他の元シリーズなど)と後の社会派ファンタジーとの画期をなす位置にある作品だそうで、なるほどそんな感じです。思弁的会話が気持ち多めですが、全体としては真正面のヒロイック・ファンタジー*1
 ストーリーはシンプルで、戦争に倦んだ主人公が、思いもかけぬ形で世界救済のためのクエスト(よりにもよって聖杯探索!)を請け負うというもの。同時に人生ではじめて愛した美女を救うためという王道でもあり。そしてそこかしこに現れるムアコック節が心地よいです。今回の介添人もひょうひょうとして懐かしい雰囲気。というわけで、楽しく読めました(^^
 次はコルム復刊とのことです。一冊に三部作をすべてまとめてしまう模様。
 なおフォン・ベック・サーガは全2巻だそうです。

*1:ちょっとはしょり気味