ヴァージとの再接触

 2496年、銀河連合はヴァージ宙域との通信衛星網を復旧した。ファー・リーチとオリオン・フロンティアからの連絡は途絶したままだったが、ヴァージからはケンダイ星の通信衛星を通して百年来はじめての通信が旧宙域に届いた。だがそれは攻撃を受けている惑星ハンマーズ・スターからの救援要請だった。2497年、この要請に応えて派遣されたフォートレス戦艦モニター号が見たのは、破壊され尽くされた惑星だった。その後、モニター号は中央の使者としてヴァージの諸世界をまわったが、ハンマーズ・スターの災厄の犯人について知る者は誰もいなかった。現在に至るまで、この謎の侵略者については何もわかっていない。
 2500年末までに、ヴァージ宙域は銀河文明への復帰を果たした。しかし、百年のブランクはヴァージの諸世界に猜疑を植え付けており、銀河連合は必ずしも歓迎されなかった。また、旧宗主国である星間国家も辺境への影響力を手に入れようと策動したため、現在もヴァージの約半数の世界は独立状態にある。