EoMのカルト

 ストームブリンガー第5版でのカルトはゲーム的な影響をもたらしませんでしたが、EoMはマングースルーンクエストの系列に属するだけあって、カルトへの所属が重大なゲーム上の意味をもたらします。
 カルトは主に〈上方世界の神々〉や〈精霊の王〉に対する信仰組織です。単体の神格への信仰とはかぎらず、〈剣の統治者〉カルトのように三柱を一度に崇拝するところもあります。ちなみに後続サプリでは祖霊崇拝や英雄カルト等も追加されます。信者は5ランクに類別されます。平信者、入信者、侍祭、司祭、チャンピオンです。このうち、ルール的な特典を得られるのは入信者以上の会員資格を持つ者だけです。

〈契約〉技能

 カルトへの入信を果たした者は、そのカルトに対する〈契約〉Pactという特別な技能を獲得します。この技能は初期値が「CHA+入信時にささげたPOW量」で、以後は通常の技能と同じように成長させられます。また通常の成長に加えて、〈召喚儀式〉技能を用いるたびに1%、人身御供を行うたびに1%上昇します。召喚の頻度が少ない〈法〉のカルトでは、カルト技能が10%上昇するたびに1%増えます。
 〈契約〉は神性介入に使います。守護神の助力を仰ぐ場合、D100で〈契約〉以下を振らねばなりません。このとき成否にかかわらず〈契約〉は一定量減少します。
 また、入信者が侍祭に昇格するためには〈契約〉が50%以上ある必要があります。侍祭になってから一定の期間と充分な功績をあげれば司祭に昇格できます。
 〈契約〉が100%に達すると、神格化の可能性が発生します。以後100%以上であるあいだは一年に一回、D100を振って「神にささげたPOW×5」以下を振ると神の次元に呼ばれて永遠のしもべとなり、NPC化します。逆にいえば、100%未満ならばこの可能性はないので、頻繁に神性介入を試みればこのある種の破滅はふせげます。

カルト技能、加護、制約

 カルトに入信すると、特定の技能(カルト技能)の成長コストが低下します。
 侍祭になるとカルトが提供する魔術を学べるようになります。魔術は必要な魔道書を手に入れれば独学でも修得できますが、魔術を提供するカルトに入るのが一番手っ取り早いでしょう。なお、カルトによって召喚できるデーモンや精霊の種別は決まっています。最高位であるチャンピオンになると高レベル能力である伝説的能力Legendary Abilityを獲得できます。
 また、各カルトには加護Giftと制約Compulsionが設けられています。入信者になるとまず制約を1つ、望むなら加護を1つ得られます。加護の獲得は無料ではなく、重いPOWコストがかかります。以降、侍祭、司祭、チャンピオンと昇格するごとに制約を1つずつ取り、加護を獲得するチャンスを与えられます。加護は、これらのほかにもプレイ中に神々から提供される恩寵として獲得することができます。この場合もコストとひきかえですが。
 制約は、そのカルトの特徴をあらわす性癖や恐怖症といったもので、グローランサのそれに類似していますが、加護はコストが高いだけに強烈で超自然的な効果をもたらします。若返りや蘇生、不死、性転換、永続的にしたがうデーモン等の従僕、安全な隠れ家となる次元の創造、などなど……。

各種のカルト

 EoMコアルルブで紹介されているカルトは以下の通り。

  • 精霊カルト:グローム、ストラーシャ、カカタル、ラサ
  • 混沌カルト:アリオッホ(単体)、〈剣の統治者〉(マベロード、キシオムバーグ、アリオッホ)、〈死のもたらし手〉(チャードロスとハイオンハーン)、〈恍惚の耽溺〉(スローターとバラーン)、〈藍色の尼僧団〉(エクオル女神)、〈囁くものたち〉(ピアレー)、〈沈黙の監視者〉(マルク)、ナージャ
  • 法カルト:アーキン、ドンブラス、ミッゲア、〈トーヴィクの仮借なき騎士団〉

 ゴルダーがいない……。