HQ覚書

魔術について:
 グローランサの魔術は、視覚をはじめ感覚に訴える効果を付随する。

四種の魔術系統:
 Innate Magic(生得魔術):物質界由来の魔術。宿能がこれにあたる。
 Theism(神教):神々への信仰による魔術。神力と神技。
 Animism(呪術):精霊との交信と使役による魔術。霊具、呪物。
 Wizardry(魔道):唯一神や聖人への信仰による魔術。呪式、護符。

First Magic:
 各キャラクターは、不意打ちを受けていない限り、対決の開始時に、ひとつの魔術能力で増強を行うことが出来る。
*これは、あらかじめひとつの魔術が準備済みであることを示しており、使用に時間がかかる魔術能力を用いることは出来ない。

魔術による増強の累積:
 対決が起こることが事前にわかっている場合、あらかじめひとつの能力への増強に使っておくことができる魔術能力は原則3つまでとする。

魔術使用の集中化(Concentration):
 通常、魔術キーワードによって得られる魔術能力の内容は、四種の魔術系統がまざりあっているが、特定一種の魔術系統しか使わないと決める(=集中化)することで、魔術の修得コストを減らすことができる上、その魔術における奥義を学ぶことができるようになる。

 特定の宗教では、魔術の集中化が、より上位の階級への前提条件となることがある。例えば、神教で帰依者になるには、神教魔術への集中化が必要となる。

セルフロックの伝授(Selfrock Teaching):
 グローランサ各地でいろいろな形で実践されている習わしで、上記の集中化の特殊例。四種の系統のいずれかではなく、“平俗魔術”に集中化する。

 文化圏によって決まっている宝石を見つけてこの習わしを執り行い、自分の身につけることで、平俗魔術を(通常の増強だけでなく)単独の魔術能力として判定に用いることができるようになる。その代償として、専門魔術(Specialized Magic)は一切使うことができなくなる。

平俗宗教の例:
 平俗宗教は、平俗魔術を提供する。

 ドナンダー
 イマージャ
 ランブリル
 七母神:《かすり傷を癒す》《なんでも読む》《恐怖に抵抗する》《戦闘攻撃》の宿能を提供する。
 ヴァイ・マダル・サ:テシュノスの射手の神。

神教について:

 起源となる異界:神界
 人間界の呼称:内世界
 信仰対象:神々、神霊
 信者は“魂”を持つとされる。
 得られる魔術:神性介入、神力、神技
 成員:俗信者、入信者、帰依者
 指導者:司祭
 信仰の種別:供儀

 神々のランク:大神>神>半神>神霊>英雄

 集中化:神友(divine companion)の獲得、帰依者への昇格、神技の修得、にはいずれも神教への集中化が必要となる。

俗信者が得られる能力:
 魔術:神性介入。
 世俗の縁故:〈[寺院]の成員〉
 神話と儀式:〈[神殿]の神話を知る〉
 信心:〈[神殿]への信仰〉
 美徳:神殿のキーワードが提供する美徳を任意に取得できる。

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対決:神性介入を祈願する
▼適切な能力:(俗信者ならば)〈[神殿]への信仰〉、(入信者ならば)
 〈[神]の入信者〉、(帰依者ならば)〈[神]の帰依者〉
▼典型的な修正と増強:共同体の支援、儀式魔術による修正、非常に信心深い
 行い(プラス修正)、邪悪で反社会的な振る舞い(マイナス修正)、求める
 助力の性質(マイナス修正)
▼抵抗値:(神殿ならば)10W6、(入信者や帰依者が自分の神を呼んだ場合は)10w3
▼勝利:勝利段階に応じて神が介入する。
▼引き分けおよび敗北:何も起こらない。

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入信者が得られる能力:
 魔術:神力、魂視(Soul Vision
 世俗の縁故:入信した神の〈[寺院]の成員〉や〈[司祭]の従者〉
 神話と儀式:〈[神]の神話〉
 信心:〈[神]の入信者〉
 美徳:神のキーワードが提供する美徳を任意に取得できる。

神力について:
 他の能力の増強に用いる。
 神技の代用として使用する場合は、-10の代用修正がつく。

魂視について:
 魔力や異界を感知する能力。
 神界以外の異界由来の魔術や存在を感知する場合には、-20のマイナス修正がつく。
 抵抗値は14もしくは相手の能力。

帰依者が得られる能力:
 魔術:神力、神技、魂視、(条件を満たせば)カルト奥義
 世俗の縁故:〈[寺院]の成員〉や〈[入信者]の引率者〉
 神話と儀式:〈[神]の神話〉
 信心:〈[神]の帰依者〉
 美徳:神のキーワードが提供する美徳を通常はすでにすべて持っている。
 従者:入信者や俗信者を従者として持っていることが多い。

*帰依者は、必ず神教に集中化しなければならない。
*帰依者は自分の神に対してしか神性介入を祈願できない。

神技について:
 神力を習得した際に、ヒーローポイントの消費なしに、その神力に属する神技を3つ習得することができる。

 神力は能力の増強にも単独の能力としても使用できる。

*神技は、属する神力の一部として修得するため、同一の神力に属する複数の
 神技で、ひとつの能力を同時に増強することはできない。(p.120例参照)

 神技の初期能力値は属する神力と同じであり、神力とともに成長するが、神技のみを別個に上昇させることも可能(成長コストが低くなる)。この場合、次のように記録する。

  【死】17
   《敵の首をはねる》+2

 帰依者は神技を神力の内容から即興で作ることができるが(代用修正がつく)、こうして作った神技をヒーローポイントを消費して固定化することはできない。
 また、神技から神技を即興で作ることはできない。

下位カルトや英雄カルトからの神技提供:
 入信者や帰依者は、ヒーローポイントを1点消費することで、同一宗教に
属する下位カルトや英雄カルトの神技をひとつ修得することができる。

神友(Divine companion)について:
 神友はRQの同盟精霊に相当。Sidekickとして扱う。
 神友はそれ自体入信者であることがある。三つの主要能力の中に神力を
入れてもよい。

時間と労力(とヒーローポイント)の貢献:
 俗信者:10%
 入信者:30%
 帰依者:50%
*信仰が必要するヒーローポイントは、カルトに関連する能力に消費
 しなければならない。

神々の例:
 アーガン・アーガー:エスロリアの男性貴族が信仰。
 ブゼリアン;ダラ・ハッパの書記神。
 デストール:ヒョルト人の冒険者の神。RQの冒険者オーランスに相当。
 エリッサ:ダラ・ハッパのチャラーナ・アローイ。
 ゲレンデソー:ダラ・ハッパの戦神。ロウドリルの息子。
 メルカリオ:ダラ・ハッパの芸能神。
 ナーザ:赤い月の女神の相。
 ナヴェストス:ダラ・ハッパの農業神。
 オデイラ:深林の狩人神。熊神。
 セルヴェン・ハラ:ルナー帝国の旅の女神。
 スコヴァーラ:ヒョルト人の芸能女神。
 イッグ:スリーステップ諸島の海の嵐神。

神霊について:
 神霊のデータについては、ヒーロー・バンドの守護霊と同様に処理する。

 神霊に供儀を行うことで得られる神技は、神霊の影響範囲内でのみ有効。影響範囲内を離れてしまったら神技自体を失い、もう一度修得しなおさなくてはならない。

 寺院を守る守護神霊は、寺院内の神体に宿っており、神体が盗まれたり壊されたり汚されたりすると無力化されてしまう。寺院の守護神霊自体が魔術を提供することはほとんどない。

半神について:
 半神の能力は、親である神性の強さに応じて決まる。