HQ1からの大きな変更点(1)

 精読途中で気づいた変更点などを覚書的に。このほかに、集団即時対決と継続対決がまるっきり変更されていますが、長くなるのでまた後日まとめます。

代用修正の改良

 「限定能力ボーナス」Specific ability bonusという言い方に変わっていますが、カバーする範囲が狭くて状況に合致している能力を使えばペナルティを受けないよという内容なので、代用修正とコンセプトは同じです。しかし運用方法が少し変更されました。
 以下いずれも本文p.51より抜粋。
 まず、キャラクターやクリーチャーなど、能力を用いて対抗してくる相手のいる対決の場合。

 相手がいる対決の際、相手の能力があなたの能力ほどその場の状況を明確に指していないならば、あなたは+3または+6の修正を得ます。指定の明確さの差に応じて修正の高低は決まります。

 次に、大自然の脅威など能力を持たず、抵抗値そのものが対抗してくる対決の場合。

 他のPCの能力を、指定の明確さの判断基準に使います。もし別の仲間があなたの能力よりもより的確な能力を持っているならば、あなたは自分の試みに-3のマイナス修正を受けます。もしその仲間の能力のほうがはるかに的確なのであれば、-6のマイナス修正を受けます。

 なお、差があるなあと思ったときにはとりあえず-3、差があるかどうか判断がつかない場合は修正なしにせよというガイドラインが付帯しています。

状況による修正の簡素化

 キャラクターが直面する状況の有利不利に応じて、使用する能力に与える状況修正については、+6、+3、-3、-6という四段階のみに簡素化されました。ソード・ワールド的といえるかもしれません。

増強の大幅な変更

 以前の版でもその運用方法がよく論議の種になっていた増強ルールですが、より使用条件が厳格になり、そのかわりに増強した場合のボーナスが飛躍的に大きくなっています。以下本文p.52より抜粋。

 直後の対決でキャラクターにプラス修正を与えるには、あなたはナレーターが決めた適当な抵抗値に対する即時対決を行います。増強のデフォルト抵抗値は[並]です。(訳注:[並]とは抵抗基本値そのままという意味です。基本値は最初のセッションでは14。以後2セッションごとに1ずつ上昇します) ナレーターと相談してこの対決を設定しますが、このときあなたの行動がどのように受け手(あなた自身または他のキャラクター)の助けになるのかということをはっきりさせなければなりません。

 続いて、この“はっきりさせる”についての指針が明確化されています。

  • 新鮮ですか?:あなたの説明には、ナレーターがおもしろいと思うような新奇、独創的、予想外(しかし適切)といった何かが入っていなければなりません。最近(現在の、あるいは以前のセッションで)同じ目的のために同じ能力を使っていたら、その試みはおそらく繰り返しに過ぎず、おもしろみに欠けるでしょう。
  • キャラクターに光を当てますか?:あなたの行動は、あなたのキャラクター自身や増強の受け手との関係について新たな何かを開陳したり、すでにある何かを証明したりするものですか? もしそうなら単なる繰り返しではないため、増強は有効です。
  • はらはら感を生みますか?:増強を試みることであなたが危険を冒すことになるのであれば、皆はあなたの成否に固唾を呑むことになりますから、増強する価値が認められます。
  • 興奮や感情反応を引き出しますか?:あなたの説明に対する他の皆の反応が楽しいものであるなら(笑ったり、ほめたり、身を乗り出したり、あなたが提案したばかりのネタを口ずさんだり)、あなたはそれが楽しいということを客観的に証明したことになります。この判断基準は他の全てに優越します。

 増強は1回の対決につき1回しか試みられません。再挑戦したり、自分や別のキャラクターがさらに増強を重ねたりすることはできなくなりました。また、増強の持続時間はその対決の間だけです。
 そのかわり、増強を判定する即時対決で勝利すれば、+3〜+Wという大きなプラス修正が得られます。なお、得られる修正の値には、増強に用いる能力の値は無関係になりました。
 *筋書きによる増強(Plot augment):以前のセッションや展開で得られた成果に基づいて、ナレーター側から増強の効果をキャラクターに与えることができます。たとえば、前もって敵の弱点を調べておいたので、その敵との対決では追加の増強効果が得られることになる、といったように。