W:tF 楽園の黄昏

piroki2004-11-18

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もちろん、精霊や人の部族の中には、自分たちを取り締まる“父なる狼”と“最初のパック”を嫌悪する者もいた。反撃する者もいれば、数の力や、魔法や膂力を用いることで、そう簡単には死なない者もいた。“父なる狼”とパックは、最悪の者たちを精霊界の荒れ野の果てに追いやった。その中には、強大な精霊や、そうした精霊のしもべたち、そして暗黒の力を信仰して冒涜的な悪行を犯す人の部族が含まれていた。“疫病の王”と“祖母なる紡ぎ手”は、可能な時は“父なる狼”にあらがい、パック全部を相手にできないと見切った時には逃げ出した。

我らは夜明けの世界の王であった。我らの大いなる膂力と姿を変じる能力は、我らをして人や生き物の支配者となさしめた。我らに挑む肉食獣は少なかった。獲物で我らにかなう者はいなかった。最強のマンモスやこの時代で最も獰猛な肉食獣ですら、ワーウルフの1パックには敵ではなかったのだ。それは人類にとっては暗黒の時代だったが、我らにとっては栄光の時代、獲物の流す輝かしき血に彩られた黄金時代だったのだ。

しかし、いかなる黄金時代もそうであるように、それは滅びを運命づけられていた。

そう、それは“父なる狼”から始まった。我らの時代以前、人類の興隆以前、ほとんどの精霊がいまだ若く弱かったころ、二つの世界を制するには“父なる狼”だけで充分だった。物質界に居座ろうとする精霊もおらず、強大すぎる力を集める者もいなかった。“父なる狼”が“母なる月”と他の精霊たちの両方とつがって仔をなしたとき、彼の力はわずかながら弱まった。彼はいまだ剛健で俊敏であったが、それもしばらくの間のことだった。

それには数えることもできぬほど長い長い時間がかかったが、次第に“父なる狼”はその膂力と素早さを失い始めた。その牙は鈍くなり、その知恵も千里を見通すことができなくなった。彼の目を逃れる精霊はいや増し、人類の間に恐怖の王国を築いて、力を集めて膨れあがった。苦痛と貪欲の神々になろうとするこうした輩を見つければ、“父なる狼”はたいして時間もかけずに仕留めた。だが中にはまんまと逃げ延びる者すらおり、戦いによって弱まったとはいえ、やはり野放図に振る舞ったのである。次第に、パンゲアはそうした精霊たちとその支配を受け入れた人類にとっての楽園となり、他の者にとっての煉獄と化していった。父祖らはこれらすべてを目にし、疑念が彼らをむしばみはじめた。

疫病ちゅうとワーラット、紡ぎ手ちゅうとワースパイダーを想起しますが、敵として登場なんですかねえ。
“父なる狼”の弱体化がパンゲアの衰退を招いたわけですな。
しかし、老いて力の弱まったワーウルフは自決するか狩られてしまうのでは…………父殺しがUrathaの原罪なのかな?と憶測。
あるいは……精霊界と物質界を分断したのがワーウルフたち自身なのかな?