火星からの復興AAR(1)

 いくつかの帝国をプレイしてみて少し慣れてきたと思うので、AARを書いてみようかと思います。少しずつでも進められるといいなあ。
 なお、glommilus氏がSteam Workshopに投稿した「Mars Post Earth」MODを使ってスタートしています。その他にも適宜MODを利用する予定。

火星コロニー連合(Federated Colonies)の挑戦

 西暦2077年、資源争奪に端を発する全面核戦争によって地球は荒れ果てた泥玉に変貌し、人類文明は滅亡した。
 しかし、人類が滅び去ったわけではなかった。当時ようやく軌道に乗り始めていた火星植民地に取り残された人びとは、母星からの支援を絶たれながらも、科学技術者たちが主導する必死の努力によって文明の再建を進めていったのである。
 それから一世紀以上の時を経て、人類は再び宇宙へと雄飛する。

 火星植民者たちは、「天性の技術者・虚弱・協同・利口」の性質を持つ。厳しい火星環境で生きのびるために先達がつちかってきた内容である。
 そして彼らを統治するのが、「集産・物質・受容主義」を奉じて、火星都市国家群をまとめるコロニー連合科学執政局(FCSAA)。

 2200年時点では弱冠36才のオルテンシア・ディアス局長が事実上の国家元首を務めている。
 火星は乾燥型惑星であり、人類にとって決して住みやすい環境ではないため、早急に新天地を開拓しなければならない。

 超光速ハイパードライブ航法の開発に成功した科学者たちは、その目標に向けて核融合電力、殖民船建造技術、ナノ機械工学の研究に着手した。

 核戦争によって失われた太陽系の情報を得るために、調査船「ヴァガボンド」号が出航した。まず向かったのは、滅びた地球の現状調査である。
 そこでは驚くべき発見が待っていた。荒れ果てた不毛の大地と崩壊した都市の残骸の中で、準知性にまで急速に進化を遂げたゴキブリ種が、新たな地球の主となっていたのである。だが現時点で人類に地球を再開発する力はない。当面は社会科学研究の対象とする他はないだろう。

 ヴァガボンド号の探査結果にもとづいて建設船が水星に派遣された。絶え間ない太陽熱にさらされる表面からほぼ無尽蔵な金属資源が得られるよう、採掘施設が軌道上に設けられた。

 土星には発電施設が設けられた。コロニー連合にとって貴重なエネルギー源になるだろう。

 太陽系内の探査が完了し、資源獲得のメドがたったことで、系外惑星の探査が計画された。天体観測の成果から、ハイパースペース航路が通じるバーナード星とアルファ・ケンタウリ星系に可住惑星が発見されている。
 ただ、バーナード第1a惑星は、どういうわけか地球と同じように核の冬に覆われているらしい。地球外文明の存在を予想する者もいるが、真相は今のところ不明だ。
 一方、アルファ・ケンタウリ星系には大陸型と海洋型の惑星が1つずつ見つかっている。最初の殖民目標はこのアルファ・ケンタウリ第2惑星と定められた。

 西暦2201年9月15日。太陽系外縁部に到達した調査船ヴァガボンド号は、初の系外探査に向けて、ハイパードライブ・ジャンプを実行。
 人類文明の雄飛が本格的に始まったのである。